“掻寄”の読み方と例文
読み方割合
かきよ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遺書と聞いたとき良三郎はびくりと足を縮めた、それから起直って衿を掻寄かきよせ、暫く封書の裏表を眺めたのち、震える手でそれを披いた。
山椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
昔しの法令条目の枯葉を紙上に掻寄かきよせしとは殊にて、今は活溌々たる政界の運動、文学美術に係る新現象の批評など、彼此と結びあはせて、力の及ばん限り
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
なぜなら、彼女は自分の顔に砂のとびかかるのも知らぬ気に美しい爪を逆立てて掻寄かきよせていたのだ——。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)