さかまた)” の例文
さかまたか何かに成って敵の軍艦を喰ってやるぞ、といった意味の和歌が、確か、遺筆として与えられたはずだったことを彼は思出し、家中捜し廻って、ようやくそれを見付け出した。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
これはすべて事実であった。伯父の骨は、親戚の一人が汽船の上から、遺命通り、熊野灘に投じたのである。伯父は、そうしてさかまたか何かになってアメリカの軍艦を喰べてしまうつもりであったのである。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)