“鯱子張”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しやちこば66.7%
しゃちこば33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おどろいたかほをして、ちよつきをがつくりと前屈まへかゞみに、ひぢかに鯱子張しやちこばらせて、金時計きんどけいめながら
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこにはNといふとしとつた洋画家が六朝の文字のやうに鯱子張しやちこばつて控へてゐた。
茶話:12 初出未詳 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
往来ですれちがう将校らの傲慢ごうまんな様子は、彼らの横柄おうへい鯱子張しゃちこばり方は、彼にひそかな憤怒ふんぬの念を与えた。彼は彼らに少しも道を譲る様子を見せなかった。
真黒まっくろな円い天窓あたま露出むきだしでな、耳元を離した処へ、その赤合羽の袖を鯱子張しゃちこばらせる形に、おおきひじを、ト鍵形かぎなりに曲げて、柄の短い赤い旗を飜々ひらひらと見せて、しゃんと構えて、ずんずん通る。……
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)