“犬張子”の読み方と例文
読み方割合
いぬはりこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつなりけん、みちすがら立寄りて尋ねし時は、東家とうかおうなはた織りつつ納戸の障子より、西家さいかの子、犬張子いぬはりこもてあそびながら、日向ひなたの縁より、人懐しげにみまもりぬ。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
犬張子いぬはりこであったり、幻燈の中の様々の人物であったり、一様ではないのですが、恋人に話しかけでもする様に、くどくどと相手の言葉をも代弁しながら、話し会っているのでした。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
勝手に成れとて彼れを家へ迎へたは丁度貴孃が御懷妊だと聞ました時分の事、一年目には私が處にもお目出たうを他人からは言はれて、犬張子いぬはりこや風車を並べたてる樣に成りましたれど
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)