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犬張子
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いぬはりこ
ふりがな文庫
“
犬張子
(
いぬはりこ
)” の例文
いつなりけん、
途
(
みち
)
すがら立寄りて尋ねし時は、
東家
(
とうか
)
の
媼
(
おうな
)
、
機
(
はた
)
織りつつ納戸の障子より、
西家
(
さいか
)
の子、
犬張子
(
いぬはりこ
)
を
弄
(
もてあそ
)
びながら、
日向
(
ひなた
)
の縁より、人懐しげに
瞻
(
みまも
)
りぬ。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
犬張子
(
いぬはりこ
)
であったり、幻燈の中の様々の人物であったり、一様ではないのですが、恋人に話しかけでもする様に、くどくどと相手の言葉をも代弁しながら、話し会っているのでした。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
勝手に成れとて彼れを家へ迎へたは丁度貴孃が御懷妊だと聞ました時分の事、一年目には私が處にもお目出たうを他人からは言はれて、
犬張子
(
いぬはりこ
)
や風車を並べたてる樣に成りましたれど
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
羽子板
(
はごいた
)
などが山と高く掲げられるのも見ものでありますが、
酉町
(
とりのまち
)
の
熊手
(
くまで
)
など、考えると不思議にも面白い装飾に達したものであります。玩具の
犬張子
(
いぬはりこ
)
などにも、何か
紛
(
まが
)
いない江戸の姿が浮びます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
太郎がいふには
犬張子
(
いぬはりこ
)
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
▼ もっと見る
天井には
犬張子
(
いぬはりこ
)
の、見事大きなのが
四足
(
よつあし
)
をぶら下げて動きもせず、一体
遣
(
や
)
りッ放しのお
侠
(
きゃん
)
で、自転車に乗りたがっても、人形などは持ってもみようと思わない
質
(
たち
)
であったのが
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
年目
(
ねんめ
)
には
私
(
わたし
)
が
處
(
ところ
)
にもお
目出
(
めで
)
たうを
他人
(
ひと
)
からは
言
(
い
)
はれて、
犬張子
(
いぬはりこ
)
や
風車
(
かざぐるま
)
を
並
(
なら
)
べたてる
樣
(
やう
)
に
成
(
な
)
りましたれど、
何
(
なん
)
のそんな
事
(
こと
)
で
私
(
わたし
)
が
放蕩
(
のら
)
のやむ
事
(
こと
)
か、
人
(
ひと
)
は
顏
(
かほ
)
の
好
(
い
)
い
女房
(
にようぼ
)
を
持
(
も
)
たせたら
足
(
あし
)
が
止
(
と
)
まるか
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
犬張子
(
いぬはりこ
)
が横に寝て、起上り
小法師
(
こぼし
)
のころりと
坐
(
すわ
)
った、縁台に、はりもの板を斜めにして、
添乳
(
そえぢ
)
の
衣紋
(
えもん
)
も繕わず、
姉
(
あね
)
さんかぶりを
軽
(
かろ
)
くして、
襷
(
たすき
)
がけの二の腕あたり、日ざしに
惜気
(
おしげ
)
なけれども
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
越
(
こ
)
えて一ト
月
(
つき
)
、
雲黒
(
くもくら
)
く
月
(
つき
)
くらき
夕
(
ゆふ
)
べ、
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
は
居殘
(
いのこ
)
りの
調
(
しら
)
べ
物
(
もの
)
ありて、
家
(
いゑ
)
に
歸
(
かへ
)
りしは
日
(
ひ
)
くれの八
時
(
じ
)
、
例
(
いつも
)
は
薄
(
うす
)
くらき
洋燈
(
らんぷ
)
のもとに
風車
(
かざぐるま
)
犬張子
(
いぬはりこ
)
取
(
とり
)
ちらして、まだ
母親
(
はゝおや
)
の
名
(
な
)
も
似合
(
にあは
)
ぬ
美尾
(
みを
)
が
懷
(
ふところ
)
おしくつろげ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
犬
常用漢字
小1
部首:⽝
4画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“犬”で始まる語句
犬
犬神人
犬神
犬吠
犬死
犬殺
犬蓼
犬追物
犬小屋
犬公方