“しゃちこば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鯱張33.3%
鯱硬張22.2%
鯱子張22.2%
固硬11.1%
硬固11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
血が通わなくなっても、脳味噌がつぶれても、肩が飛んでも身体からだが棒のように鯱張しゃちこばっても上がる事は出来ん。二竜山にりゅうざんから打出した砲煙が散じ尽した時に上がれぬばかりではない。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それでなくても自然鯱硬張しゃちこばつてゐたところへ、その日瀧田君が私を連れ出したと云ふのが、当時問題の人物であつた私と云ふものを文壇に紹介する一方
青春物語:02 青春物語 (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
真黒まっくろな円い天窓あたま露出むきだしでな、耳元を離した処へ、その赤合羽の袖を鯱子張しゃちこばらせる形に、おおきひじを、ト鍵形かぎなりに曲げて、柄の短い赤い旗を飜々ひらひらと見せて、しゃんと構えて、ずんずん通る。……
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……やれ、かなしや! こりゃつめたいわ、しずんで、節々ふし/\固硬しゃちこばって、こりゃこのくちびるからいきはなれてから最早もうひさしい。
ほゝくちびる薔薇ばらせて、蒼白あをじろはひかはる。まどもはたとづる、生活いのちがついれてときのやうに。どこも/\硬固しゃちこばって、つめたうなって、自在じざい活動はたらきをばうしなうて、死切しにきったやうにもえう。