“さち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サチ
語句割合
89.3%
蹉躓1.9%
叉置1.0%
子幸1.0%
幸子1.0%
早智1.0%
磋躓1.0%
1.0%
祐宮1.0%
1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遂げたる望みの恐しさは、如何なる強き夢をも破りぬべし。われは貧かりき。されば、われさちふかかりき。おゝ、ローザ、トリアニ。
舞姫 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
軍人たらんと欲して失敗し、外交家たらんと願うてまた蹉躓さちし、拠ろなしに一時横道にれて文学三昧に遊んでいたが、夙昔の志望は決して消磨したのではなかった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
或は立ち、或は坐し、或は臥す。而して皆裸にして寸縷すんる無し。堂上に一官坐す。其前に一大搾牀さくしやうを設く。健夫数輩、大鉄叉を執り、任意に男婦をつて槽内に叉置さちし、大石を用つて之を圧搾す。
鴉片 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
むかし母に手をかれて祭を見し貧家の子幸さちありといはんか、今ボルゲエゼ家の賓客となりて歸れる紳士幸ありといはんか、そはたやすく答へ難き問なるべし。
二人の女中が雇はれて一人は幸子さちの守の爲めの幾分白痴のやうな中年の女と、一人は家の中一切をやる働き盛りの若い女であつた。
(旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
しやく、男しやくろう政客、天文學博士はくし實業じつげう家など、藝苑げいえんでは一時てきに中村時ぞうや千早智さち子などもんでゐたし、シロタやトドロヰッチ夫人のピアノ彈奏だんそうを立ち聽きした事もあるし
多くは人生の磋躓さちにあったり、失敗窮困に陥ったりして、そして一旦開悟してこうべめぐらして今まで歩を進めた路とは反対の路へ歩むものであるが、保胤には然様そうした機縁があって
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
君が御名みなさちの井の、ゐどのほとりの常磐木ときはぎや、落葉木らくえふぼく若葉わかばして、青葉あをばとなりて、落葉おちばして、としまた年と空宮くうきうに年はうつりぬ四十五しじふいつ
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
大老は、関白尚忠と同腹にて、主上を仙洞御所に移し奉り、祐宮さちを擁立して新帝と仰ぎ奉り、関白をもって摂政となし、幕府の意の如く取り計らうべし——
『七面鳥』と『忘れ褌』 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
友人いうじん嘿斎翁ぼくさいをういはく、(堀の内の人、宮治兵衛)花水祝ひといふ事は淡路宮あはぢのみや瑞井みづゐ井中ゐちゆう多遅花たちばなおちたるさちありし事の日本紀に見えたるに濫觴らんしやうして、花水のがうこゝに起立おこれるにやといはれき。
矢倉に高きさちのかげ
都喜姫 (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)