蹉躓さち)” の例文
人誰か父母の国を思ハざらんや。然ニ忍で之を顧ざるハ、情の為に道にもとり宿志の蹉躓さちを恐るゝなり。志願果して(ならずん)バ、復何為なんのためにか君顔を拝せん。
軍人たらんと欲して失敗し、外交家たらんと願うてまた蹉躓さちし、拠ろなしに一時横道にれて文学三昧に遊んでいたが、夙昔の志望は決して消磨したのではなかった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)