“蹉跎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さた37.5%
さだ37.5%
あしすり12.5%
あしず12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壮志蹉跎さた行われずといえども、護国的精神、敵愾てきがい的気象は、沸々として時勢の児の血管中に煮えあがれり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
蹉跎さだノ森にいた薩軍の陣屋で、そのとき、喇叭らっぱの音がきこえた。急に集合の令でも下ったのでか、烏賊帽子いかぼうしの薩兵たちは
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無念なりと蹉跎あしすりなしていかり給ひしが今更詮方せんかたも無りしとぞ假初かりそめにも十五萬石にて播州姫路の城主たる御身分ごみぶん素性すじやうもいまだたしかならぬ天一坊に下座ありしは殘念ざんねんと云も餘りあり天一坊は流石さすが酒井家さかゐけさへ下座されしとわざ言觸いひふらし其威勢ゐせいおほなみの如くなれば東海道筋にて誰一人爭ふ者はなく揚々やう/\として下りけるは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
心中の苦悶は非常なもので、俺の不愛想な仕草が少女を怒らせ、このまま漕去ッてしまったらどうしようと、蹉跎あしずりせんばかりに焦立っていた。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)