“さだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サダ
語句割合
84.4%
3.6%
2.6%
2.1%
蹉跎1.6%
佐太1.0%
佐陀0.5%
狭田0.5%
狹田0.5%
0.5%
佐田0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
蹉陀0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まだ西も東も知らないいはけない心でも、後々あとあとまでも美しい夢のやうにさだかに、心のなかに取り入れ納めることが出來る物ではなからうか。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
一人は丁字ちょうじ屋の小照といい、一人は浜田屋のやっこだと聞いていた。小照は後に伊井蓉峰いいようほうの細君となったおていさんで、奴は川上のおさださんであった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「かたり申そうぞ。ただし物語に紛れて遅れては面目なかろう。翌日あすごろはいずれもさだめて鎌倉へいでましなさろうに……おくれては……」
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
紀元千四百五十四年(西暦七九四)、第五十代桓武くわんむ天皇は、山城やましろ葛野かどの宇太野うだのに都をさだめられた。これが平安京、現在の京都である。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
宿昔青雲の志、蹉跎さだたり白髪の年といふが、自分の如き凡人は半生に至らずして既に見すぼらしく貧苦にやつれ日夕諦らめに馴れた心を無二の友としてゐる。
盗まれた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
「朝日照る佐太さだの岡辺に群れゐつつ吾がく涙止む時もなし」(巻二・一七七)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あるいは三崎神となり、佐陀さだ神となり、伊豆権現となり鼻節神とも称せられて、諸国の守護神であったことは『石神問答』という書物に少しく論じておいた。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
『雲陽志』佐陀さだ大社の記事に
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
まだ鋤かず狭田さだの田岸の鴨萱の根を泳ぎつつ蛙らはゐる
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
棚曇かげ遠じろき月の夜は狭田さだの水田も沢のごと見ゆ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
まだ鋤かず狹田さだの田岸の鴨萱の根を泳ぎつつ蛙らはゐる
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
棚曇かげ遠じろき月の夜は狹田さだの水田も澤のごと見ゆ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
近年新聞紙の報道するところについて見るに、東亜の風雲はますます急となり、日支同文の邦家ほうかも善鄰のしみをさだめているいとまがなくなったようである。
十九の秋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
父は唐宋の詩文を好み、早くから支那人と文墨のまじわりさだめておられたのである。
十九の秋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
また日高郡原谷はらたにという所でも、合祀の遺恨より、刀で人を刃せしことあり。東牟婁郡佐田さだおよびそえかわでは、一昨春合祀反対の暴動すら起これり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
「片言もってごくさだむべきものは、それゆうか」などという孔子の推奨すいしょうの辞までが、大袈裟おおげさ尾鰭おひれをつけてあまねく知れわたっていたのである。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
さだは一言も云わなくなってしまった。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
お鈴もさすが年若き女のたかねの花とは知りながら、これもその場を去りかねて、お艶の機嫌とりとり品さだめするにぞ。
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
その他、越後えちごの米山、越中の眼目山、土佐の蹉陀さだ岬等にも竜灯の話がある。これらは珍しい、不思議だと申すだけで、利もなければ害もない迷信である。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)