さだ)” の例文
自分は病気で寝ているおさださんにこの様子を見せて、ありがたいと思うか、余計な御世話だと思うか、本当のところを聞いて見たい気がした。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一人は丁字ちょうじ屋の小照といい、一人は浜田屋のやっこだと聞いていた。小照は後に伊井蓉峰いいようほうの細君となったおていさんで、奴は川上のおさださんであった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
呼出す此時正面しやうめんには松平縫殿頭ぬひのかみ殿少し下りて右の座へ梶川かじかわ庄右衞門殿次には公用人こうようにん櫻井文右衞門田村治兵衞此方には川上さだ八石川彌兵衞浦野うらのもん兵衞縁側際えんがはぎはには足輕あしがる五六人非常ひじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
主人の姉——名はおさだ——というのが、昔からのえらぶつで、そこの女将たる実権を握っていて、地方有志の宴会にでも出ると、井筒屋の女将お貞婆さんと言えば、なかなか幅がく代り、家にいては
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
みんなに笑われますよ。おさだとお呼びなさい」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
さだは、ウチジニしたぞい!」
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
自分はいくらおさださんが母のお気に入りだって、そのために彼女がわざわざ大阪三界さんがいまで出て来るはずがないと思った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「これ、おさだ、お貞、お貞、お貞」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
自分は電報紙を持ちながら、是非共おさださんを貰いたいという佐野のお凸額でことその金縁眼鏡きんぶちめがねを思い出した。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「袴だよ。おさだ、袴を出してやれ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)