“猿楽町”のいろいろな読み方と例文
旧字:猿樂町
読み方割合
さるがくちょう90.0%
さるがくてう10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その当時の内神田はこんにちの姿とまったく相違して、神保町じんぼうちょう猿楽町さるがくちょう、小川町のあたりはすべて大小の武家屋敷で、町屋まちやは一軒もなかったのである。
役所に遠いのを仮托かこつけに、猿楽町さるがくちょうの親の家を離れて四谷よつやかみの女の写真屋の二階に下宿した事もあった。神田の皆川町みながわちょう桶屋おけやの二階に同居した事もあった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
猿楽町さるがくてうを離れたのは今で五年の前、根つからお便りを聞く縁がなく、どんなにおなつかしう御座んしたらうと我身のほどをも忘れて問ひかくれば、男は流れる汗を手拭にぬぐふて
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
先方さきは忘れたかも知らぬが此方こちらはたしかに日まで覚えてゐる、阿関おせきが十七の御正月、まだ門松を取もせぬ七日の朝の事であつた、もと猿楽町さるがくてうのあのうちの前で御隣の小娘ちいさいのと追羽根して
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)