“きつけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
着附28.6%
回生剤21.4%
清涼剤10.7%
扮装7.1%
氣付7.1%
清涼薬3.6%
着付3.6%
囘生劑3.6%
気付3.6%
気付薬3.6%
気附3.6%
着服3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
病夫浪之助を殺して表へ出た時の着附きつけだったか、つかまる時のだか、そんなことはもう、おぼろげになってしまっているといってたのを、はなした。
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「先生、おしいことをしました、おんなじ一杯回生剤きつけを頂かして下さるのなら、先方むこうへ参りませんさきに、こうやって、」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
画家 (肩を抱く)ウイスキーです——清涼剤きつけに——一体、これはどうした事です。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ことに舞台面の装置、背景、光線の使用とううまく出来て居るし、役者の扮装きつけも、はじめの幕から義士が討入の晩の装束をして居たり、左袵ひだりまへに着て居たりする間違まちがひは多いにしても
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
僕はだからこのあかえといふさかなの骨を食べる時には、ちよつとした氣付きつけのやうなものを感じ、ぽりぽり齒に當てると遠いところで僕の恥づかしさか、見えて來る。
末野女 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
清涼薬きつけですって。……ぞお暑い事で。……)
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
清涼薬きつけ……)
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのあぶ羽音はおとを、くともなしにきながら、菊之丞きくのじょう枕頭ちんとうして、じっと寝顔ねがお見入みいっていたのは、お七の着付きつけもあでやかなおせんだった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
藍微塵あいみじん素袷すあわせ算盤玉そろばんだまの三じゃくは、るから堅気かたぎ着付きつけではなく、ことった頬冠ほおかむりの手拭てぬぐいを、鷲掴わしづかみにしたかたちには、にくいまでの落着おちつきがあった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
菊屋きくやいて、一室ひとまとほされると、まだすわりもしないさき外套ぐわいたうぎながら、案内あんない女中ぢよちう註文ちうもんしたのは、をとこが、素人了簡しろうとれうけん囘生劑きつけであつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
吉「旦那、これが因果応報というのでござんしょう、なんだかわっちも腹が痛くなりました、済まねえが旦那気付きつけを一服下せえまし」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二日目と三日目が長途ちょうとの早打には最も苦しい時だという。頭脳あたまは何も考えられなくなって、揺れ方がわるいと、嘔吐気はきけがつきあげてくる。三平は時々、気付薬きつけを口に頬ばっていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
パンにはあらかじめバタをぬり、気附きつけ薬のために「ナポレオン三世」という銘のある葡萄酒を六本までも仕込んだのは、はなはだ時宜に適した思い付き。
幸いなりもらってくれとの命令いいつけかしこまると立つ女と入れかわりて今日は黒出の着服きつけにひとしお器量まさりのする小春があなたよくと末半分は消えて行く片靨かたえくぼ俊雄はぞッと可愛げ立ちてそれから二度三度と馴染なじめば馴染むほど小春がなつかしくたましいいつとなく叛旗はんき
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)