“素袷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すあわせ76.0%
すあはせ24.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
羽折もなしの素袷すあわせ、素足に雪駄せったばきで、ふところ手をしてこっちを見ていた。けて来たなと思いながら、安宅は黙ってあるきだした。
滝口 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
おもて二階を借りている伊東さんというカフェーの女給じょきゅう襟垢えりあか白粉おしろいとでべたべたになった素袷すあわせ寐衣ねまきに羽織をひっかけ、廊下から内をのぞいて
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
藍微塵あゐみぢん素袷すあはせ、十手を懷に隱して、突かけ草履、少し三枚目染みる子分のガラツ八を案内に、錢形の平次は淺草の隆興寺へ飛んで行きました。
素袷すあはせさむき暁の風に送られて鉄車一路の旅、云ひがたき思を載せたるまゝに、小雨ふる仙台につきたるは五月さつき廿日の黄昏時たそがれどきなりしが、たゞフラ/\と都門を出で来し身の
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)