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素袷
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すあはせ
ふりがな文庫
“
素袷
(
すあはせ
)” の例文
藍微塵
(
あゐみぢん
)
の
素袷
(
すあはせ
)
、十手を懷に隱して、突かけ草履、少し三枚目染みる子分のガラツ八を案内に、錢形の平次は淺草の隆興寺へ飛んで行きました。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
素袷
(
すあはせ
)
さむき暁の風に送られて鉄車一路の旅、云ひがたき思を載せたるまゝに、小雨ふる仙台につきたるは
五月
(
さつき
)
廿日の
黄昏時
(
たそがれどき
)
なりしが、たゞフラ/\と都門を出で来し身の
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
素袷
(
すあはせ
)
に、忍びの泥棒がん燈を持つて居りますが、短かい
蝋燭
(
らふそく
)
は、投出された時消えたらしく、外には證據になるべきものは一つもありません。
銭形平次捕物控:265 美しき鎌いたち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
日出
(
ひので
)
前の水汲に
素袷
(
すあはせ
)
の襟元寒く、夜は村を埋めて了ふ程の虫の声。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
晩秋のある日、神田の裏長屋の上にも、
赤蜻蛉
(
あかとんぼ
)
がスイスイと飛んで、凉しい風が、
素袷
(
すあはせ
)
の襟から袖から、何んとも言へない
爽快
(
さうくわい
)
さを吹き入れます。
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
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三十前後の小柄な好い男で、
素袷
(
すあはせ
)
に
銀鎖
(
ぎんぐさり
)
の肌守り、腕から背中へ雲龍の
刺青
(
ほりもの
)
がのぞいて、懷中には
鞘
(
さや
)
のまゝの
匕首
(
あひくち
)
が、無抵抗に殺されたことを物語つてをります。
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
傷は背後から一と突き、
左肩胛骨
(
ひだりかひがらぼね
)
の下に、
素袷
(
すあはせ
)
を通して、恐ろしい正確さで叩き込んであります。
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
白粉つ氣なしの
素袷
(
すあはせ
)
、色の白さも、唇の紅さも
艶
(
なま
)
めきますが、それにも増して、くね/\と品を作る骨細の身體と、露を
含
(
ふく
)
んだやうな、少し低い聲が、この女の
縹緻
(
きりやう
)
以上に人を惱ませます。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
寒々と
素袷
(
すあはせ
)
の襟をかき合せ、膝小僧を揃へて神妙らしく控へて居るのでした。
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
娘を
折檻
(
せつかん
)
してゐたらしい半助は、あわてて
素袷
(
すあはせ
)
に膝つ小僧を包みました。
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
十月の
素袷
(
すあはせ
)
、平手で水つ
洟
(
ぱな
)
を撫で上げ乍ら、突つかけ草履、前鼻緒がゆるんで、左の親指が少し
蝮
(
まむし
)
にはなつて居るものゝ、十手を後ろ腰に、
刷毛先
(
はけさき
)
が
乾
(
いぬゐ
)
の方を向いて、兎にも角にも、馬鹿な威勢です。
銭形平次捕物控:282 密室
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎は
素袷
(
すあはせ
)
の薄寒さうな懷ろなどを叩いて見せるのでした。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
素
常用漢字
小5
部首:⽷
10画
袷
漢検準1級
部首:⾐
11画
“素”で始まる語句
素人
素
素直
素性
素振
素気
素朴
素足
素姓
素破