“かやり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蚊遣95.8%
蚊遣煙4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも梅の影がさして、窓がぽつとあかるくなる時、えん蚊遣かやりなびく時、折に触れた今までに、つい其夜そのよの如くの高かつた事はないのである。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
机の下へ蚊遣かやり線香を入れてやってから、八畳の間の縁側に出て夫たちが帰って来るであろう往来の方を眺めている時であった。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
夏場のことで、表通りの店はまだ開いて居りますが、蚊遣煙かやりが淡くこめて、何處からともなく爪彈つまびきの音も聽えて來る戌刻半いつゝはん(九時)過ぎ、江戸の夜の情緒は、山の手ながら妙になまめきます。
夏場のことで、表通りの店はまだ開いておりますが、蚊遣煙かやりが淡くこめて、どこからともなく爪弾つまびきの音も聴えてくる戌刻半いつつはん(九時)過ぎ、江戸の夜の情緒は、山の手ながら妙になまめきます。