“歌声”のいろいろな読み方と例文
旧字:歌聲
読み方割合
うたごえ75.0%
かせい25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
縁者えんじゃ親類加勢し合って、歌声うたごえにぎやかに、東でもぽったん、西でもどったん、深夜しんやの眠を驚かして、夜の十二時頃から夕方までもく。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
このとき、どこか、まち喫茶店きっさてんから、レコードでならす、あまったるい歌声うたごえながれてきました。そこには、ことなった生活せいかつのあることをおもわせました。
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
牛糞の匂と家畜の匂と、兵士達の歌声かせいと女達の笑声と、獣の吠声と車輪の軋音と、踏まれる沙から発する音と、武器と武器との触れ合う音とが、沙漠の静寂をおびやかした。
沙漠の美姫 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今宵は芝蘭しらんの鉢の香りゆかしき窓、茶煙一室をめ、沸る湯の音のびやかに、門田の蛙さへ歌声かせいを添へて、日頃無興にけをされたる胸も物となく安らぎ候まゝ、思ひ寄りたる二つ三つ
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)