うかご)” の例文
そっと玻璃窓内をうかごうたときに、内部の深緑色(その晩は天鵞絨びろうどのような黒味をおびていた。)の窓帷カーテンがどうした途端であったか片絞りをされて二寸ばかり開いていたのであった。
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
壮士は上段の刀を振りかぶったなりで、しきりに気合と恫喝とを試みて竜之助の陣形をうかごうているが、その静かなること林の如く、冷やかなること水の如しです。打ち込んだら、こっちのどこかへ来る。