“ひっか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引掛51.3%
引掻30.4%
引懸7.8%
引被2.6%
筆架1.7%
筆禍1.7%
誘導0.9%
引替0.9%
引爬0.9%
引蒐0.9%
引飲0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
身長の高い一人は洋服を着て背嚢を背負った上から二重廻しを引掛ひっかけている。一人は綿入れを着て同じく背嚢を背負って懐手をしている。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
その跫音にすらすらと衣服きものの触る音でもしょうなら、魂に綱をつけて、ずるずる引摺ひきず引廻ひんまわされて、胸を引掻ひっかいて、のた打廻るだ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「これを見て下さい。兄さんが気を失った室の硝子ガラス窓のところで発見したのですよ。硝子のこわれたふち引懸ひっかかっていたのですよ。ほらほら……」
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「あんなものを巻着けておいた日にゃあ、骨まで冷抜ひえぬいてしまうからよ、わし褞袍どんつく枕許まくらもとに置いてある、誰も居ねえから起きるならそこで引被ひっかけねえ。」
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
筆架ひっかへ筆を置いて、二官はゾッとしたように色を変えます。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
壁は宋江そうこう筆禍ひっかを呼び、飛馬は「神行法」の宙を行くこと
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どう誘導ひっかけられて悲惨なクリュエル羽目に陥し込まれんものでもないから、こういう場合にはあまり逸らんのが大丈夫の道、触らぬ神に祟りなしで、せいぜいユックリと凪ぎを待つ方がよろしい
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
こんな風に誘導ひっかけて見る。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
取替とっか引替ひっかえ子供等のお替りで、煮ながら食うものはいそがしかった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
荊棘いばら山椒さんしょうの樹のようなもので引爬ひっかいたのであろう、雨にぬれた頬から血が出て、それが散っている、そこへ蝋燭の光の映ったさまははなはだ不気味だった。漸く其処そこへ歩み寄った晩成先生は
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
皺延しわのばしの太平楽、聞くに堪えぬというは平日の事、今宵こよいはちと情実わけが有るから、お勢は顔をしかめるはさて置き、昇の顔を横眼でみながら、追蒐おっか引蒐ひっかけて高笑い。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
荷の陰で引飲ひっかけながら、フトその見事な白壁を見て、その蔵は?
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)