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引懸
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ひっかか
ふりがな文庫
“
引懸
(
ひっかか
)” の例文
だが諸君、ここに一つの問題があると思うのは、誰かのインチキに、まんまと
引懸
(
ひっかか
)
ったのが自分ではなく、他人の友人か誰かであったとしよう。
麻雀インチキ物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「娘の髪が余りキチンとしていますぜ。
些
(
ちっ
)
とも乱れていませんが、能く蘆の間で
引懸
(
ひっかか
)
らなかッたもので」
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
モンマルトルやサンゼルマンの夜の空に、
三笠山
(
みかさやま
)
で眺めたと同じその明月が
憐
(
あわ
)
れにも電光に色を失って気の毒にも誰れ一人見るものなく、四角な家と家との間に
引懸
(
ひっかか
)
っているのだ。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
中の様子を気遣いながら、腰を
屈
(
かが
)
めて覗いた。やはりKはペンを動かしていた。折々金ペンの光りが鋭く
閃
(
ひら
)
めいた。ペンに力が入って紙の目に
引懸
(
ひっかか
)
った時だ。ペンの動く速力は非常に早かった。
扉
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
素見
(
ひやかし
)
を
追懸
(
おっか
)
けた亭主が、値が出来ないで舌打をして引返す……
煙草入
(
たばこいれ
)
に
引懸
(
ひっかか
)
っただぼ
鯊
(
はぜ
)
を、鳥の毛の
采配
(
さいはい
)
で釣ろうと構えて、ストンと外した玉屋の
爺様
(
じいさま
)
が、
餌箱
(
えさばこ
)
を
検
(
しら
)
べる
体
(
てい
)
に、財布を
覗
(
のぞ
)
いて
鬱
(
ふさ
)
ぎ込む
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
赤ん坊は
滝壺
(
たきつぼ
)
の上の
梢
(
こずえ
)
に
引懸
(
ひっかか
)
って死んでいたという話である。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
また普通の潜水艦艇では、
機雷
(
きらい
)
にぶっつけるかもしれないし、警報装置に
引懸
(
ひっかか
)
って所在が知れるし、どうもよくない。
独本土上陸作戦:――金博士シリーズ・3――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、足が
引懸
(
ひっかか
)
ったまま、その場に身体は横倒しになってしまった。そして顔の真正面から、なにか土か灰かのようなものをパーッと浴びてしまった。
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
硝子の
切
(
き
)
り
削
(
そ
)
いだような
縁
(
ふち
)
に、白い毛のようなものが二三本
引懸
(
ひっかか
)
っているではありませんか。ぼんやりして居れば
見遁
(
みのが
)
してしまうほどの細いものです。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
只
(
ただ
)
考えたのは、何とかして、
検札
(
けんさつ
)
や
旅客訊問
(
りょきゃくじんもん
)
の
網
(
あみ
)
に
引懸
(
ひっかか
)
るまいとして、こそこそ逃げ込むことばかりにこれ
努
(
つと
)
めた。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それはその杙打ちの音が、とんとんとんとんという具合になめらかに行かず、或るところで
引懸
(
ひっかか
)
るようにとんとんとんととんという特徴のある音をたてることであった。
東京要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
金博士は、廊下をそのときゆっくり歩いていたが、何の
考
(
かんがえ
)
もなく、この手に
引懸
(
ひっかか
)
って、奈落へ……。それから、がちゃん、がらがらと大きな音がして、身は火薬炉の中に密閉されてしまった。
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
懸
常用漢字
中学
部首:⼼
20画
“引懸”で始まる語句
引懸々々