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戀
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こひ
ふりがな文庫
“
戀
(
こひ
)” の例文
新字:
恋
内山君
(
うちやまくん
)
足下
(
そくか
)
、
先
(
ま
)
づ
此位
(
このくらゐ
)
にして
置
(
お
)
かう。さて
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くに
僕
(
ぼく
)
は
戀
(
こひ
)
其物
(
そのもの
)
に
隨喜
(
ずゐき
)
した。これは
失戀
(
しつれん
)
の
賜
(
たまもの
)
かも
知
(
し
)
れない。
明後日
(
みやうごにち
)
は
僕
(
ぼく
)
は
歸京
(
きゝやう
)
する。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
心
(
こゝろ
)
をつけて
物事
(
ものごと
)
を
見
(
み
)
るに、さながら
戀
(
こひ
)
に
心
(
こゝろ
)
をうばゝれて
空虚
(
うつろ
)
に
成
(
なり
)
し
人
(
ひと
)
の
如
(
ごと
)
く、お
美尾
(
みを
)
お
美尾
(
みを
)
と
呼
(
よ
)
べば
何
(
なに
)
えと
答
(
こた
)
ゆる
詞
(
ことば
)
の
力
(
ちから
)
なさ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
旅
(
りよ
)
行の時にはもう
戀
(
こひ
)
人のやうな
伴侶
(
はんりよ
)
で、
撮影
(
さつえい
)
、
現像
(
げんぞう
)
、
燒
(
や
)
き
付
(
つけ
)
の
技量
(
ぎれう
)
も
自然
(
しぜん
)
と巧くなつて、學校での
展覽會
(
てんらんくわい
)
では
得意
(
とくい
)
な出
品
(
ひん
)
物
(
ぶつ
)
であり
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
あゝ、
俺
(
おれ
)
は
今
(
いま
)
までに
戀
(
こひ
)
をしたか? やい、
眼
(
まなこ
)
よ、せなんだと
誓言
(
せいごん
)
せい!
今夜
(
こんや
)
といふ
今夜
(
こんや
)
までは、
眞
(
まこと
)
の
美人
(
びじん
)
をば
見
(
み
)
なんだわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
銀鞍
(
ぎんあん
)
の
少年
(
せうねん
)
、
玉駕
(
ぎよくが
)
の
佳姫
(
かき
)
、ともに
恍惚
(
くわうこつ
)
として
陽
(
ひ
)
の
闌
(
たけなは
)
なる
時
(
とき
)
、
陽炎
(
かげろふ
)
の
帳
(
とばり
)
靜
(
しづか
)
なる
裡
(
うち
)
に、
木蓮
(
もくれん
)
の
花
(
はな
)
一
(
ひと
)
つ
一
(
ひと
)
つ
皆
(
みな
)
乳房
(
ちゝ
)
の
如
(
ごと
)
き
戀
(
こひ
)
を
含
(
ふく
)
む。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
もう
旅
(
たび
)
は
懲々
(
こり/\
)
でした。そう
思
(
おも
)
ふと、
自分
(
じぶん
)
の
家
(
いへ
)
が
戀
(
こひ
)
しくつて
戀
(
こひ
)
しくつてたまりません。はやくかえらう。はやくかえらう。と、……………………
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
戀
(
こひ
)
といふ程のことをした經
驗
(
けん
)
のない彼には、この町のどこにもそれとなく見て別れを告げねばならぬやうな少女はゐないのであるが、通りのずつと向うの方に
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
それから
又
(
ま
)
た
自分
(
じぶん
)
が
學校時代
(
がくかうじだい
)
によく
進撃
(
しんげき
)
した
藪
(
やぶ
)
そばや
梅月
(
ばいげつ
)
の
事
(
こと
)
や、
其他
(
そのほか
)
樣々
(
さま/″\
)
な
事
(
こと
)
を
懷想
(
くわいさう
)
して、
翼
(
つばさ
)
あらば
飛
(
と
)
んでも
行
(
ゆ
)
きたいまで
日本
(
につぽん
)
の
戀
(
こひ
)
しくなつた
事
(
こと
)
も
度々
(
たび/\
)
あつたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其
(
その
)
蛙
(
かへる
)
が
押
(
お
)
し
合
(
あ
)
ひ
鳴
(
な
)
き
合
(
あ
)
つて
生長
(
せいちやう
)
するうちに、
幾
(
いく
)
百
組
(
くみ
)
か
幾
(
いく
)
千
組
(
くみ
)
の
戀
(
こひ
)
が
泥渠
(
どぶ
)
の
中
(
なか
)
で
成立
(
せいりつ
)
する。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
預
(
あづか
)
り歸りしが或日兩親の居ぬ
隙
(
ひま
)
を
考
(
かんが
)
へ右の文を
渡
(
わた
)
しければお高は
容體
(
かたち
)
を改め
其方
(
そなた
)
は主人の娘に
戀
(
こひ
)
の
執持
(
とりもち
)
を
爲事
(
なすこと
)
不埓
(
ふらち
)
千萬なり
重
(
かさ
)
ねて斯樣なる事をなさば
爲
(
ため
)
になるまいぞと
嚴敷
(
きびしく
)
辱
(
はづか
)
しめて文を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
戀
(
こひ
)
」の
玉座
(
ぎよくざ
)
は、さはいへど、そこにしも
在
(
あら
)
じ、
空
(
そら
)
遠
(
とほ
)
く
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
『じや、お
互
(
たがひ
)
に
戀
(
こひ
)
したね。きつと。』
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
『
淨
(
きよ
)
まる
戀
(
こひ
)
のゆるされ』を。』
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
いのち
短
(
みじか
)
し、
戀
(
こひ
)
せよ、
少女
(
をとめ
)
ゴンドラの唄
(旧字旧仮名)
/
吉井勇
(著)
戀
(
こひ
)
せぬものはなかりけり
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
戀
(
こひ
)
か
名
(
な
)
か
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
同
(
おな
)
じ
人
(
ひと
)
ですら
其通
(
そのとほ
)
り、
況
(
いは
)
んや
曾
(
かつ
)
て
戀
(
こひ
)
の
力
(
ちから
)
に
觸
(
ふ
)
れたことのない
人
(
ひと
)
が
如何
(
どう
)
して
他人
(
たにん
)
の
戀
(
こひ
)
の
消息
(
せうそく
)
が
解
(
わか
)
らう、その
樂
(
たのしみ
)
が
解
(
わか
)
らう、
其苦
(
そのくるしみ
)
が
解
(
わか
)
らう?。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
今
(
いま
)
の
苦勞
(
くらう
)
を
戀
(
こひ
)
しがる
心
(
こゝろ
)
も
出
(
い
)
づべし、
斯
(
か
)
く
形
(
かたち
)
よく
生
(
うま
)
れたる
身
(
み
)
の
不幸
(
ふしやはせ
)
、
不相應
(
ふさうおう
)
の
縁
(
ゑん
)
につながれて
幾
(
いく
)
らの
苦勞
(
くらう
)
をさする
事
(
こと
)
と
哀
(
あは
)
れさの
増
(
まさ
)
れども
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ベンヺ こりゃ
何
(
なん
)
でも、
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
に
隱
(
かく
)
れて、
夜露
(
よつゆ
)
と
濡
(
ぬ
)
れの
幕
(
まく
)
という
洒落
(
しゃれ
)
であらう。
戀
(
こひ
)
は
盲
(
めくら
)
といふから、
闇
(
やみ
)
は
恰
(
ちょう
)
どお
誂
(
あつら
)
へぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
だから、ふくろの
聲
(
こゑ
)
は、
話
(
はなし
)
に
聞
(
き
)
く
狼
(
おほかみ
)
がうなるのに
紛
(
まぎ
)
れよう。……みゝづくの
方
(
はう
)
は、
木精
(
こだま
)
が
戀
(
こひ
)
をする
調子
(
てうし
)
だと
思
(
おも
)
へば
可
(
い
)
い。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
出しても其手は
勿々
(
なか/\
)
食
(
くは
)
ぬ夫よりは御前方も一文
貰
(
もら
)
ひの苦し
紛
(
まぎ
)
れ
貧
(
ひん
)
の盜みに
戀
(
こひ
)
の歌とやら文右衞門さんが
不※
(
ふと
)
出來心
(
できごころ
)
にて盜まれしと言つた方が罪が
輕
(
かる
)
い其所は
私
(
わた
)
しが心一つで取計らひ質を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
無言
(
むごん
)
を
辿
(
たど
)
る
戀
(
こひ
)
なかの深き
二人
(
ふたり
)
の
眼差
(
まなざし
)
も
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
いのち
短
(
みじか
)
し、
戀
(
こひ
)
せよ、
少女
(
をとめ
)
ゴンドラの唄
(旧字旧仮名)
/
吉井勇
(著)
『
戀
(
こひ
)
』はひとりぞ
羽含
(
はぐく
)
まめ。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
十八
戀
(
こひ
)
を
知
(
し
)
りそめて
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
戀
(
こひ
)
は
力
(
ちから
)
である、
人
(
ひと
)
の
抵抗
(
ていかう
)
することの
出來
(
でき
)
ない
力
(
ちから
)
である。
此力
(
このちから
)
を
認識
(
にんしき
)
せず、
又
(
また
)
此力
(
このちから
)
を
壓
(
おさ
)
へ
得
(
う
)
ると
思
(
おも
)
ふ
人
(
ひと
)
は、
未
(
ま
)
だ
此力
(
このちから
)
に
觸
(
ふ
)
れなかつた
人
(
ひと
)
である。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
頼
(
たの
)
みにして
今日
(
けふ
)
までも
過
(
すご
)
せし
身
(
み
)
なりと
云
(
い
)
ひたけれど
孃
(
じよう
)
さまの
戀
(
こひ
)
も
我
(
わ
)
が
戀
(
こひ
)
にも
淺
(
あさ
)
さ
深
(
ふか
)
さのあるべきならず
我
(
わ
)
れまだ
其事
(
そのこと
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
言寄
(
いひよ
)
る
語
(
ことば
)
に
圍
(
かこ
)
まれても、
戀
(
こひ
)
する
眼
(
まなこ
)
に
襲
(
おそ
)
はれても、いっかな
心
(
こゝろ
)
を
動
(
うご
)
かさぬ、
賢人
(
けんじん
)
を
墮落
(
だらく
)
さする
黄金
(
こがね
)
にも
前垂
(
まへだれ
)
をば
擴
(
ひろ
)
げぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
半日
(
はんにち
)
の
散策
(
さんさく
)
、
神祇
(
しんぎ
)
あり、
釋教
(
しやくけう
)
あり、
戀
(
こひ
)
あり、
無常
(
むじやう
)
あり、
景
(
けい
)
あり、
人
(
ひと
)
あり、
從
(
したが
)
うて
又
(
また
)
情
(
じやう
)
あり、
錢
(
ぜに
)
の
少
(
すくな
)
きをいかにせむ。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
欺
(
あざむ
)
くと藤重は吾助に思はれ物をも多く
貰
(
もら
)
ひ花見
遊山
(
ゆさん
)
などに
連
(
つれ
)
らるゝを甚だ心
能
(
よく
)
は思はねども
商賣柄
(
しやうばいがら
)
なれば
愛敬
(
あいきやう
)
を失ひては成ずと
表面
(
うはべ
)
には
嬉
(
うれ
)
しき
體
(
てい
)
をなして同道せしが其折々
無理
(
むり
)
なる
戀
(
こひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
たとへそれ、「
眞
(
まこと
)
」は「
戀
(
こひ
)
」の
眞心
(
まごころ
)
を
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
いのち
短
(
みじか
)
し、
戀
(
こひ
)
せよ、
少女
(
をとめ
)
ゴンドラの唄
(旧字旧仮名)
/
吉井勇
(著)
たもとほりにし
日
(
ひ
)
の
戀
(
こひ
)
は。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
戀
(
こひ
)
の
附子矢
(
ぶすや
)
に
傷
(
きずつ
)
かば
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
此家
(
こヽ
)
にも
學校
(
がくかう
)
にも
腦病
(
なうびやう
)
の
療養
(
れうやう
)
に
歸國
(
きこく
)
といひ
立
(
た
)
て、
立
(
たち
)
いでしまヽ
一月
(
ひとつき
)
ばかりを
何處
(
いづく
)
に
潜
(
ひそ
)
みしか、
戀
(
こひ
)
の
奴
(
やつこ
)
のさても
可笑
(
をか
)
しや、
香山家
(
かやまけ
)
の
庭男
(
にはをとこ
)
に
住
(
す
)
み
込
(
こ
)
みしとは。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
錦
(
にしき
)
に
面影
(
おもかげ
)
を
留
(
と
)
めた
風情
(
ふぜい
)
は、
山嶽
(
さんがく
)
の
色香
(
いろか
)
に
思
(
おもひ
)
を
碎
(
くだ
)
いて、
戀
(
こひ
)
の
棧橋
(
かけはし
)
を
落
(
お
)
ちた
蒼空
(
あをぞら
)
の
雲
(
くも
)
の
餘波
(
なごり
)
のやうである。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
言
(
い
)
はぬ
浮世
(
うきよ
)
の
樣々
(
さま/″\
)
には
如何
(
いか
)
なることや
潜
(
ひそ
)
むらん、
今
(
いま
)
は
昔
(
むか
)
しの
涙
(
なみだ
)
の
種
(
たね
)
、
我
(
わ
)
が
戀
(
こひ
)
ならぬ
懺悔物
(
ざんげもの
)
がたり、
聞
(
き
)
くも
悲
(
かな
)
しき
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
あり、
春
(
はる
)
の
夜
(
よ
)
ふけて
身
(
み
)
にしむ
風
(
かぜ
)
に
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
戀
(
こひ
)
の
心
(
こゝろ
)
はどんなのだえ。
思
(
おも
)
うて
逢
(
あ
)
ふとか、
逢
(
あ
)
はないとか、
忍
(
しの
)
ぶ、
待
(
ま
)
つ、
怨
(
うら
)
む、いろ/\あるわね。」
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
戀
(
こひ
)
は
一人
(
ひとり
)
ぞ
安
(
やす
)
かりける、
何事
(
なにごと
)
も
言
(
い
)
はじ
思
(
おも
)
はじ、
仰
(
おふ
)
せられても
給
(
たま
)
はるなとて、
曉
(
あかつき
)
の
月
(
つき
)
に
影
(
かげ
)
を
別
(
わか
)
ちしが、これより
姫
(
ひめ
)
は
如何
(
いか
)
に
成
(
な
)
りけん、
扨
(
さて
)
も
敏
(
さとし
)
は
如何
(
いか
)
に
成
(
な
)
りけん
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
戀
(
こひ
)
の
心
(
こゝろ
)
はどんなのだえ。
思
(
おも
)
うて
逢
(
あ
)
ふとか、
逢
(
あ
)
はないとか、
忍
(
しの
)
ぶ、
待
(
ま
)
つ、いろ/\あるわねえ。」
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
踏
(
ふ
)
むに
冷
(
つ
)
めたき
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
を
引裾
(
ひきすそ
)
ながく
縁
(
ゑん
)
がはに
出
(
い
)
でゝ、
用心口
(
ようじんぐち
)
より
顏
(
かほ
)
さし
出
(
いだ
)
し、
玉
(
たま
)
よ、
玉
(
たま
)
よ、と二タ
聲
(
こゑ
)
ばかり
呼
(
よ
)
んで、
戀
(
こひ
)
に
狂
(
くる
)
ひてあくがるゝ
身
(
み
)
は
主人
(
しゆじん
)
が
聲
(
こゑ
)
も
聞分
(
きくわ
)
けぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
葉
(
は
)
もまだ
落
(
お
)
ちない。
形
(
かたち
)
は
何處
(
どこ
)
か、
影
(
かげ
)
も
見
(
み
)
えない。
豫
(
かね
)
て
氣短
(
きみじか
)
なのは
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
特
(
こと
)
に
御病氣
(
ごびやうき
)
。
何
(
なに
)
かのお
慰
(
なぐさみ
)
に
成
(
な
)
らうものを、
早
(
はや
)
く、と
思
(
おも
)
ふが
見當
(
みあた
)
らない。
蓑蟲
(
みのむし
)
戀
(
こひ
)
しく
途
(
と
)
に
迷
(
まよ
)
つた。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
先方
(
さき
)
からも
口
(
くち
)
へ
出
(
だ
)
して
言
(
い
)
ふた
事
(
こと
)
はなし、
此方
(
こちら
)
は
猶
(
なほ
)
さら、これは
取
(
とり
)
とまらぬ
夢
(
ゆめ
)
の
樣
(
やう
)
な
戀
(
こひ
)
なるを、
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
仕舞
(
しま
)
へ、
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
仕舞
(
しま
)
へ、あきらめて
仕舞
(
しまは
)
うと
心
(
こゝろ
)
を
定
(
さだ
)
めて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
去年
(
きよねん
)
の
事
(
こと
)
である。
一雨
(
ひとあめ
)
に、
打水
(
うちみづ
)
に、
朝夕
(
あさゆふ
)
濡色
(
ぬれいろ
)
の
戀
(
こひ
)
しく
成
(
な
)
る、
乾
(
かわ
)
いた
七月
(
しちぐわつ
)
のはじめであつた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
餘
(
あま
)
りに
戀
(
こひ
)
しう
懷
(
なつ
)
かしき
折
(
をり
)
は
自
(
みづか
)
ら
少
(
すこ
)
しは
恥
(
はづ
)
かしき
思
(
おも
)
ひ、
如何
(
いか
)
なる
故
(
ゆゑ
)
ともしるに
難
(
かた
)
けれど、
且那
(
だんな
)
さま
在
(
おは
)
しまさぬ
時
(
とき
)
は
心細
(
こゝろほそ
)
さ
堪
(
た
)
へがたう、
兄
(
あに
)
とも
親
(
おや
)
とも
頼母
(
たのも
)
しき
方
(
かた
)
に
思
(
おも
)
はれぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うまし、かるた
會
(
くわい
)
に
急
(
いそ
)
ぐ
若
(
わか
)
き
胸
(
むね
)
は、
駒下駄
(
こまげた
)
も
撒水
(
まきみづ
)
に
辷
(
すべ
)
る。
戀
(
こひ
)
の
歌
(
うた
)
を
想
(
おも
)
ふにつけ、
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
線路
(
せんろ
)
さへ
丸木橋
(
まるきばし
)
の
心地
(
こゝち
)
やすらむ。
松
(
まつ
)
を
鳴
(
な
)
らす
電車
(
でんしや
)
の
風
(
かぜ
)
に、
春着
(
はるぎ
)
の
袖
(
そで
)
を
引合
(
ひきあは
)
す
急
(
せ
)
き
心
(
ごころ
)
も
風情
(
ふぜい
)
なり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なん
)
ぞや
跡
(
あと
)
もかたも
無
(
な
)
き
戀
(
こひ
)
に
磯
(
いそ
)
の
鮑
(
あはび
)
の只
一人
(
ひとり
)
もの
思
(
おも
)
ふとは、
心
(
こゝろ
)
の
問
(
と
)
はんもうら
恥
(
はづ
)
かし、
人知
(
ひとし
)
らぬ
心
(
こゝろ
)
の
惱
(
なや
)
みに、
昨日
(
きのふ
)
一昨日
(
をとゝひ
)
は
雪三
(
せつざう
)
が
訪問
(
おとづれ
)
さへ
嫌忌
(
うるさ
)
くて、
詞
(
ことば
)
多
(
おほ
)
くも
交
(
か
)
はさゞりしを
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
戀
(
こひ
)
か、
三十日
(
みそか
)
かに
痩
(
や
)
せたのは、また
白銅
(
はくどう
)
を
合
(
あは
)
せて、
銀貨入
(
ぎんくわいれ
)
に
八十五錢
(
はちじふごせん
)
と
云
(
い
)
ふのもある……
嬉
(
うれ
)
しい。
寸
(
ほん
)
の
志
(
こゝろざし
)
と、
藤間
(
ふぢま
)
の
名取
(
なとり
)
で、
嬌態
(
しな
)
をして、
水上
(
みなかみ
)
さんの
袂
(
たもと
)
に
入
(
い
)
れるのがある。……
甘
(
うま
)
い。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今日の文のぬしは我が昔しの
戀
(
こひ
)
人、今よりは仇に成りて我が心のほだしは
彼
(
あ
)
れのみ、斷たずば止むまじき執着を、これをも
戀
(
こひ
)
といふかや、我れは知らねど憎くきは彼の人なり
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
世
(
よ
)
にやくねれる、
戀
(
こひ
)
にや
惱
(
なや
)
める、
避暑
(
ひしよ
)
の
頃
(
ころ
)
よりして
未
(
いま
)
だ
都
(
みやこ
)
に
歸
(
かへ
)
らざる、あこがれの
瞳
(
ひとみ
)
をなぶりて、
風
(
かぜ
)
の
音信
(
おとづ
)
るともあらず、はら/\と、
櫨
(
はじ
)
の
葉
(
は
)
、
柿
(
かき
)
の
葉
(
は
)
、
銀杏
(
いてふ
)
の
葉
(
は
)
、
見
(
み
)
つゝ
指
(
ゆび
)
の
撓
(
しな
)
へるは
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
戀
部首:⼼
23画
“戀”を含む語句
戀人
戀慕
戀歌
初戀
戀敵
妻戀
戀女房
妻戀坂
戀路
此戀
妻戀稻荷
戀文
我戀
戀死
戀々
戀染
戀物語
昔戀
春戀石
神祇釋教戀無常
...