ラブ)” の例文
旧字:
小村は真面目に、「は、有ります、尤もあれが真のラブと云ふものかどうか、そこは分りませんが。」と云ふ。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
このラブの如く神秘的にして、本質的に音楽の情緒に近いものはない。僕の「月に吠える」中なる二三の作品が如き、正にこの神韻を摸してこれを俗化せるものなり。
蒲原有明に帰れ (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
「左様で厶いますとも。ラブしているもんで、百合子さんが来ると胸がどきどきするんですわ」
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
その記事のうちに、何か夫人がかねて神月にラブをしていたというような意味が書いてあったといって、嚊々かかあめ恐しくいきどおって、名誉を蹂躪じゅうりんされた、世の中へ顔出しも出来ないてッたようなことを云って
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
にはかにノゾき込んで声打ちひそめ「君、僕は昨夜ゆうべからの疑問だがネ、梅子さんの胸底にはし、ラブが潜んでるのぢや無からうか」大橋は莞爾につこと打ち笑み「勿論もちろん! 彼女の心が恋愛こひの聖火に燃ゆること、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「手がつけられないな。ラブでもしたらいゝぢやありませんか!」
脱殻 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)
「達子は君が何処かの令嬢にラブしたんだと云ってたよ。」
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
それでも僕は未だラブしたとは思いませんでしたねえ。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「それは坊ちゃんが百合子さんをラブしているからですよ」
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)