トップ
>
恋
>
こ
ふりがな文庫
“
恋
(
こ
)” の例文
旧字:
戀
恐らく終生変らず、又、育つこともないもので、怖れ、
恋
(
こ
)
うる切なさ、逃げ、高まりたい切なさ、十五の私も、四十の私も変りはないのだ。
石の思い
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
しかし自分が奇異に思うことは、そう云う風に常に
恋
(
こ
)
い
慕
(
した
)
ったのは主として母の方であって、父に対してはさほどでもなかった一事である。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
チョビ
安
(
やす
)
の「辻のお地蔵さん」に合わせて、お
美夜
(
みや
)
ちゃんがいろいろと
父母
(
ふぼ
)
を
恋
(
こ
)
うる所作事をして見せるんです。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
否
(
いな
)
と云へど
強
(
し
)
ふるしひのがしひがたり、ちかごろ聞かずてわれ
恋
(
こ
)
ひにけり」と
万葉
(
まんよう
)
の歌人が
曰
(
い
)
うた通りです。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
とにかく、このYという女は、手帖の主人公をたいへん
恋
(
こ
)
い
慕
(
した
)
っているのだ。その主人公の筆蹟が、彼の筆蹟とおなじであるのは、一体どうしたわけであるか。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
恋
(
こ
)
ひ
死
(
し
)
なば
恋
(
こ
)
ひも
死
(
し
)
ねとや
我妹子
(
わぎもこ
)
が
吾家
(
わぎへ
)
の
門
(
かど
)
を
過
(
す
)
ぎて
行
(
ゆ
)
くらむ 〔巻十一・二四〇一〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
花
(
はな
)
は、
自分
(
じぶん
)
が、
母親
(
ははおや
)
を
恋
(
こ
)
い
慕
(
した
)
うように、つねに
太陽
(
たいよう
)
のありかを
慕
(
した
)
っていたからです。
二番めの娘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
恋
(
こ
)
い
焦
(
こ
)
がれる市十郎なるが故に、夜も日も怨みに恨みつめなければ、それを胸に持てなかった。ときには、その市十郎と、お縫との、ふたりを
呪咀
(
じゅそ
)
の像にえがいて身も心も
炎
(
ほむら
)
にした。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
□○子よ、
御身
(
おんみ
)
は今はたいかにおはすや。笑止やわれはなほ御身を
恋
(
こ
)
へり。さはれ、ああさはれとてもかかる世ならばわれはただ一人恋うて一人泣くべきに、何とて御身を
煩
(
わずら
)
はすべきぞ。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
けれど、彼が成長して立派なとても美しい青年になった時、彼女は
含羞
(
はにか
)
むようになり、間もなく夢中になって
恋
(
こ
)
い
焦
(
こ
)
がれるようになった。この恋心は彼女がヤアギチと結婚するその日まで続いた。
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
一つはもともとからあった女を
恋
(
こ
)
うる心、も一つは女をはなれてひややかに女をみまもる心でございます。このあとの方の心が年とともに大きくなってきましてわたしにこう申すのでございます。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
思
(
おも
)
ひつる
身
(
み
)
ぞ
逢
(
あ
)
ひたしの
心
(
こゝろ
)
一途
(
いちづ
)
になりぬさりながら
心
(
こゝろ
)
は
心
(
こゝろ
)
の
外
(
ほか
)
に
友
(
とも
)
もなくて
良之助
(
りやうのすけ
)
が
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
るもの
何
(
なん
)
の
色
(
いろ
)
もあらず
愛
(
あい
)
らしと
思
(
おも
)
ふ
外
(
ほか
)
一
点
(
てん
)
のにごりなければ
我
(
わが
)
恋
(
こ
)
ふ
人
(
ひと
)
世
(
よ
)
にありとも
知
(
し
)
らず
知
(
し
)
らねば
憂
(
う
)
きを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
恋
(
こ
)
はるとやすまじきものの
物懲
(
ものごり
)
にみだれはててし髪にやはあらぬ
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
芝付
(
しばつき
)
の
美宇良崎
(
みうらざき
)
なるねつこぐさ、相見ずあらば
我
(
あれ
)
恋
(
こ
)
ひめやも
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
また
源
(
みなもと
)
の
頼光
(
よりみつ
)
、
中納言維仲卿
(
ちうなごんこれなかきやう
)
の
御息女
(
ごそくぢよ
)
を
恋
(
こ
)
ひさせ
給
(
たま
)
ひて
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今さらに別れするより苦しくも
牢獄
(
ひとや
)
に
二人
(
ふたり
)
恋
(
こ
)
ひしまされり
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
この壺も、おれと同じ、人を
恋
(
こ
)
う嘆きの姿
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
性
(
さが
)
は
得
(
え
)
て、また
誰
(
なれ
)
恋
(
こ
)
ひて、その
熟実
(
うみみ
)
夏の日
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
いかばかり
彩鳥
(
あやどり
)
の音の
恋
(
こ
)
ひしき。
あやどり
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
恋
(
こ
)
ふる心のいとまなさよ
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その葛巻は痩せる思いで令嬢に
恋
(
こ
)
いこがれ致死量に近いカルモチンをガブガブのんで
辛
(
かろう
)
じて眠りをとっている。世はままならぬものである。
青い絨毯
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
逃
(
に
)
げて行く母を
恋
(
こ
)
い
慕
(
した
)
う少年の悲しみの
籠
(
こも
)
っていることが、当時の
幼
(
いとけな
)
い自分にも何とはなしに感ぜられたと見える。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
我背子
(
わがせこ
)
に
吾
(
わ
)
が
恋
(
こ
)
ひ
居
(
を
)
れば
吾
(
わ
)
が
屋戸
(
やど
)
の
草
(
くさ
)
さへ
思
(
おも
)
ひうらがれにけり 〔巻十一・二四六五〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
田舎に生れた者が田舎を
恋
(
こ
)
うばかりでなく、都に生れた者でも田舎に育てば矢張田舎が恋しくなる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
女には男
扱
(
あつか
)
いされぬ
君子
(
くんし
)
も、
山野
(
さんや
)
の
侠児
(
きょうじ
)
には
恋
(
こ
)
い
慕
(
した
)
われる事
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ああ妻なよび髪ねびて、
我
(
わが
)
恋
(
こ
)
ひ待てる
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
恋
(
こひ
)
を
恋
(
こ
)
はれぬ
嫉妬
(
ねたみ
)
もて
友に
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
猶
(
なほ
)
人
恋
(
こ
)
ふる女の身。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
思
(
おも
)
ひ
給
(
たま
)
ふぞとさしのぞかれ
君様
(
きみさま
)
ゆゑと
口元
(
くちもと
)
まで
現
(
うつゝ
)
の
折
(
をり
)
の
心
(
こゝろ
)
ならひにいひも
出
(
い
)
でずしてうつむけば
隠
(
かく
)
し
給
(
たま
)
ふは
隔
(
へだ
)
てがまし
大方
(
おほかた
)
は
見
(
み
)
て
知
(
し
)
りぬ
誰
(
た
)
れゆゑの
恋
(
こひ
)
ぞうら
山
(
やま
)
しと
憎
(
に
)
くや
知
(
し
)
らず
顔
(
がほ
)
のかこち
事
(
ごと
)
余
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
恋
(
こ
)
ふるほどならば
思
(
おも
)
ひに
身
(
み
)
の
痩
(
や
)
せもせじ
御覧
(
ごらん
)
ぜよやとさし
出
(
だ
)
す
手
(
て
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それから
寝
(
ね
)
ている我が子に
名残
(
なご
)
りを
惜
(
お
)
しみつつ「
恋
(
こ
)
いしくば訪ね来てみよ
和泉
(
いずみ
)
なる———」と障子へ記すあの歌。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
否
(
いな
)
といへど
強
(
し
)
ふる
志斐
(
しひ
)
のが
強
(
し
)
ひがたりこの
頃
(
ごろ
)
聞
(
き
)
かずてわれ
恋
(
こ
)
ひにけり 〔巻三・二三六〕 持統天皇
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
この人と私は、
恋
(
こ
)
いこがれ、愛し合っていたが、とうとう、結婚もせず、肉体の関係もなく、恋いこがれながら、逃げあったり、離れることを急いだり、まあ、いいや。
戯作者文学論:――平野謙へ・手紙に代えて――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
山の根の
木立
(
こだち
)
くろくして
静
(
しづ
)
けきを家いで来つつ
恋
(
こ
)
ふることあり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
“恋”の意味
《名詞》
(こい)ある人に強く惹かれること。
(出典:Wiktionary)
恋
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
“恋”を含む語句
恋人
恋歌
恋愛
恋慕
恋仇
妻恋
恋文
片恋
初恋
恋女
嬬恋
恋女房
恋々
妻恋坂
恋中
係恋
恋情
恋煩
恋病
恋風
...