あやどり
静けき海のかなた、 日影しのびいる、森の奥に、 彩鳥の声すと、きゝぬ。 その音は、裂けし白玉の 一片にも似て、 いささかの悲しみをやる。 いねがたき夏南国! 浪のよるひるも、起きぶして、 いかばかり彩鳥の音の恋ひしき。 …