おも)” の例文
旧字:
来ると自分をおもっている女が有りそうな、無さそうな、世の中が面白そうな、つまらなそうな、すごいようなつやっぽいような文句ばかり並べては帰る。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
不断狂人きちがいになるほどねがっていたように、実際の金持になったり、美味うまいものをたらふく食ったり、美人からおもわれたりするよりも、今のこの歓びの方がどんなに尊いか知れない。
幻想 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
いまさかりなりおもふらくは
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「あれが御嬢さんですか、なるほどこりゃいい、おっしゃる通りだ、ねえ苦沙弥くしゃみ君、全く寒月はお嬢さんをおもってるに相違ないね……もう隠したってしようがないから白状しようじゃないか」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたしがあなたをおもっているのは、ちょうど宗教家が神にあこがれているようなものだの、あなたのためならば祭壇に供える小羊となってほふられるのが無上の名誉であるの、心臓のかたちが三角で
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)