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平伏
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へいふく
ふりがな文庫
“
平伏
(
へいふく
)” の例文
繩目
(
なはめ
)
の
儘
(
まゝ
)
にて
跑踞
(
かしこま
)
る同人妻せん與惣次も
謹
(
つゝしん
)
で
平伏
(
へいふく
)
なし何れも遠國片田舍の者始めて天下の
決斷所
(
けつだんしよ
)
へ召出され
青
(
あを
)
めの
大砂利
(
おほじやり
)
敷詰
(
しきつめ
)
て
雨覆
(
あめおひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
といったまま、また
祐筆
(
ゆうひつ
)
にむかってなにか
文言
(
ぶんげん
)
をさずけている。と、
福島正則
(
ふくしままさのり
)
、
和田呂宋兵衛
(
わだるそんべえ
)
と
蚕婆
(
かいこばばあ
)
の
修道士
(
イルマン
)
を連れてはるかに
平伏
(
へいふく
)
させた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幼君
(
えうくん
)
たゞちに
御披見
(
ごひけん
)
ありて、「こは
一段
(
いちだん
)
の
思附
(
おもひつき
)
、
面白
(
おもしろ
)
き
取合
(
とりあは
)
せなり。
如何
(
いか
)
に
汝
(
なんぢ
)
が
心
(
こゝろ
)
にもこれにて
可
(
よ
)
しと
思
(
おも
)
へるか」と
御尋
(
おたづね
)
に、はツと
平伏
(
へいふく
)
して
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
造麻呂 (次第次第に
平伏
(
へいふく
)
して行く)……それは、それは……ちっとも存じ上げませんでした。……何と云う勿体ないことでござりましょう。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
あまがえるはすっかり
恐
(
おそ
)
れ入って、ふるえて、すきとおる位青くなって、その辺に
平伏
(
へいふく
)
いたしました。そこでとのさまがえるがおごそかに
云
(
い
)
いました。
カイロ団長
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
怪
(
あや
)
しげなようすをした、
脊
(
せい
)
の
低
(
ひく
)
い
占
(
うらな
)
い
者
(
しゃ
)
は、
王
(
おう
)
さまの
足
(
あし
)
もとに
平伏
(
へいふく
)
していましたが、このとき、その
黒
(
くろ
)
い二つの
目
(
め
)
ばかりがきらきらとする
顔
(
かお
)
を
上
(
あ
)
げました。
北海の白鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
六兵衛はとんまですからあまり
驚
(
おどろ
)
きませんでしたが、それでもおどおどしながら殿様の
御前
(
ごぜん
)
に
平伏
(
へいふく
)
しました。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
水戸黄門や乃木将軍の浪花節で、あわれな善人が助けられ、にくい悪人が「ヘヘエ」と
平伏
(
へいふく
)
するところなども、何かゾクゾクとするどく心を打つものがある。
探偵小説の「謎」
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
平民と同格なるはすなわち下落ならんといえども、旧主人なる
華族
(
かぞく
)
と同席して
平伏
(
へいふく
)
せざるは
昇進
(
しょうしん
)
なり。下落を
嫌
(
きら
)
わば平民に遠ざかるべし、これを
止
(
と
)
むる者なし。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私は先生の
咽喉
(
のど
)
を締めあげた腕を解き、その場に
平伏
(
へいふく
)
して非礼を
詫
(
わ
)
びるしかなかった。そしてその日、私は私の両の腕を先生に買取って貰ってから、そこを辞した。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
口子
(
くちこ
)
はその雨の中をもいとわず、皇后のおへやの前の
地
(
じ
)
びたへ
平伏
(
へいふく
)
しますと、皇后は、つんとして、いきなり後ろの戸口の方へ立って行っておしまいになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
緩端
(
えんばた
)
に
平伏
(
へいふく
)
したる齋藤茂頼、齡七十に近けれども、猶ほ
矍鑠
(
くわくしやく
)
として
健
(
すこ
)
やかなる
老武者
(
おいむしや
)
、右の鬢先より頬を
掠
(
かす
)
めたる
向疵
(
むかふきず
)
に、
栗毛
(
くりげ
)
の
琵琶
(
びは
)
股
(
もゝ
)
叩いて物語りし昔の武功忍ばれ
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
すると武兵衛は驚き
周章
(
あわ
)
てて絵馬堂から大地へ飛び下りたが、これもそのまま
平伏
(
へいふく
)
して
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『
及
(
およ
)
びもつかん
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
ります、
勿體
(
もつたい
)
ないことで
御座
(
ござり
)
ます。』と
權藏
(
ごんざう
)
は
平伏
(
へいふく
)
しました
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
カピはおどおどした様子で、
平伏
(
へいふく
)
した。わたしはかれのかたっぽの耳から血の出ているのを見た。わたしはそれで様子をさとった。ゼルビノはこの
憲兵
(
けんぺい
)
に
戦
(
たたか
)
いをしかけてきたのである。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
むこうに、
碁盤
(
ごばん
)
を前に、これもお奉行所で見たことのある、下ぶくれのした豊かな顔がある。言われたとおりあとを閉めて、へへッ! と、もう一度
平伏
(
へいふく
)
した時、大岡様が言い出していた。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
いくつもいくつも曲がったり折れたり五〜六段の段を下ったり上ったり向こうから来る人が自分が下だとなると廊下に片よって座って
平伏
(
へいふく
)
してしまって私どもが通ってしまうまで頭も上げません。
私の思い出
(新字新仮名)
/
柳原白蓮
(著)
役人はその前に
平伏
(
へいふく
)
しながら
己
(
じぶん
)
の
背後
(
うしろ
)
におる僧侶に指をさした。
切支丹転び
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
爺さんはその
威光
(
いこう
)
に打たれて、
平伏
(
へいふく
)
してしまいました。
天狗の鼻
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
きり/\と
卷上
(
まきあぐ
)
れば御城代堀田相摸守殿
平伏
(
へいふく
)
致
(
いた
)
され少し
頭
(
かしら
)
を上て恐れ乍ら今般
如何
(
いかゞ
)
なる事ゆゑ
御上坂
(
ごじやうはん
)
町奉行へ
御屆
(
おんとゞけ
)
もなく
理不盡
(
りふじん
)
に
御紋付
(
ごもんつき
)
の御幕を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
頭に
半白
(
はんぱく
)
の
霜
(
しも
)
を
戴
(
いただ
)
いた帯刀は、胴丸の火鉢の
縁
(
ふち
)
を撫でまわしながら、招かんばかりに虎松に声をかけた。——虎松はじっと一礼して、二、三尺近よっては
平伏
(
へいふく
)
をした。
くろがね天狗
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
また足軽は一般に上等士族に対して、
下座
(
げざ
)
とて、
雨中
(
うちゅう
)
、往来に
行逢
(
ゆきあ
)
うとき
下駄
(
げた
)
を
脱
(
ぬ
)
いで
路傍
(
ろぼう
)
に
平伏
(
へいふく
)
するの法あり。足軽以上小役人格の者にても、大臣に
逢
(
あ
)
えば
下座
(
げざ
)
平伏
(
へいふく
)
を法とす。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
伊豆守幸豐君
(
いづのかみゆきとよぎみ
)
、
御手
(
おんて
)
を
膝
(
ひざ
)
に
置
(
お
)
き
給
(
たま
)
ひ、
頭
(
かうべ
)
も
得上
(
えあ
)
げで
平伏
(
へいふく
)
せる
彼
(
か
)
の
何某
(
なにがし
)
をきつと
見
(
み
)
て
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蠍が
沢山
(
たくさん
)
の手をついて
平伏
(
へいふく
)
して薬をのみそれから
丁寧
(
ていねい
)
にお
辞儀
(
じぎ
)
をします。
双子の星
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、
槍
(
やり
)
ぶすまにひるまぬ八風斎も、うたれたように
平伏
(
へいふく
)
した。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
せし天一樣は將軍樣の
若君樣
(
わかぎみさま
)
なりしか
然
(
され
)
ばこそ急に
簾
(
みす
)
の中へ入せられ御
住持樣
(
ぢうじさま
)
も
打
(
うち
)
て
替
(
かは
)
り御主人の樣に何事も
兩手
(
りやうて
)
を
突
(
つい
)
て
平伏
(
へいふく
)
なさると下男共は此等の事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
前刻
(
ぜんこく
)
より
無言
(
むごん
)
にて
平伏
(
へいふく
)
したる
恩田杢
(
おんだもく
)
は
此時
(
このとき
)
はじめて
頭
(
かうべ
)
を
擡
(
もた
)
げ
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
とのみいって、半助は
平伏
(
へいふく
)
していた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
くじらが頭をかいて
平伏
(
へいふく
)
しました。
双子の星
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
仔細
(
しさい
)
を物語って、
平伏
(
へいふく
)
した。
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“平伏”の意味
《名詞》
平伏(へいふく)
膝、両手を地につき、頭を地面につけて平伏すこと。
(出典:Wiktionary)
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
伏
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“平”で始まる語句
平
平常
平生
平素
平和
平坦
平地
平日
平家
平気