彷徨ぶらぶら)” の例文
「ちよつと、そこいらを彷徨ぶらぶらしてゐてお呉れね。いくら田舎でもお役所だからね。お前を一緒に伴れて行くのも変だからね?」
島の唄 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
痛い頭をやそうとして、笹村は机を離れてふと外へ出て見た。そして裏の空地を彷徨ぶらぶらして、また明るい部屋へ戻って見た。K—はまだちびりちびり飲み続けていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
にぎやかなところばかりにいたお銀は、夜その下を通るたびに、歩をはやめる癖があったが、ある日暮れ方に、笹村にい出されるようにして、そこまで来て彷徨ぶらぶらしていたこともあった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お庄はしばらくそこを彷徨ぶらぶらしていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)