-
トップ
>
-
午飯
>
-
おひる
「姉さん、風呂には及ばないが、顔が洗いたい。
手水……何、洗面所を教えておくれ。それから、
午飯を頼む。ざっとでいい。」
渠奴犬の為に
劫かされ、
近鄰より
盗来れる
午飯を奪はれしに
極まりたり、
然らば何ほどのことやある、と
爰に勇気を回復して再び藪に侵入せり。
三日目の
午過ぎ、やれ
粥を
煮ろの、おかう/\を
細くはやせの、と
云ふ
病人が、
何故か
一倍氣分が
惡いと、
午飯も
食べないから、
尚ほ
打棄つては
置かれない。
やがて出窓の
管簾を
半ば
捲いた下で、
腹ンばひに成つたが、
午飯の済んだ
後で
眠気がさして、くるりと
一ツ廻つて、姉の
針箱の方を
頭にすると、足を投げて
仰向になつた。
午飯に、けんちんを
食べて
吐いた。——
夏の
事だし、
先生の
令夫人が
心配をなすつて、お
實家方がお
醫師だから、
玉章を
頂いて
出向くと、
診察して、
打傾いて、
又一封の
返信を
授けられた。
「何が早いものか。もう
午飯だろう、何だ御馳走は、」