午後ひるさがり)” の例文
天保元年正月五日、場所は浅草、日は午後ひるさがり、人の出盛る時刻であった。大道手品師の鬼小僧、傴僂せむしで片眼で無類の醜男ぶおとこ、一見すると五十歳ぐらい、その実年は二十歳はたちなのであった。
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)