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午後
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ひるすぎ
ふりがな文庫
“
午後
(
ひるすぎ
)” の例文
こんな
午後
(
ひるすぎ
)
に折よくも、
巴里
(
パリー
)
で懇意になつた
高佐
(
たかさ
)
文學士が來訪された。自分よりは一箇月ばかり後れて歸朝した大學の助教授である。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
げにも
浮世
(
うきよ
)
か
音曲
(
おんぎよく
)
の
師匠
(
ししやう
)
の
許
(
もと
)
に
然
(
しか
)
るべき
曾
(
くわい
)
の
催
(
もよほ
)
し
斷
(
ことわ
)
りいはれぬ
筋
(
すぢ
)
ならねどつらきものは
義理
(
ぎり
)
の
柵
(
しがらみ
)
是非
(
ぜひ
)
と
待
(
ま
)
たれて
此日
(
このひ
)
の
午後
(
ひるすぎ
)
より
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
女史は毎週、土曜日の
午後
(
ひるすぎ
)
、
定
(
きま
)
つたやうに鎌倉の別荘へ出掛けるが、そんな折にも
鐚銭
(
びたせん
)
一つ持合さないのが何よりの自慢らしい。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
理髪師
(
とこや
)
の源助さんが四年振で来たといふ噂が、何か重大な事件でも起つた様に、口から口に伝へられて、其
午後
(
ひるすぎ
)
のうちに村中に響き渡つた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今日
(
けふ
)
は
午後
(
ひるすぎ
)
で
居
(
ゐ
)
めえと
思
(
おも
)
ふから
明日
(
あした
)
にすべと
思
(
おも
)
つて
止
(
や
)
めたのせ、
明日
(
あした
)
行
(
い
)
つたら
水飴
(
みづあめ
)
でも
買
(
か
)
つて
來
(
き
)
てやれなんておつうも
云
(
い
)
ふもんでがすからね
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
すでに
過日
(
いつか
)
も、現に今日の
午後
(
ひるすぎ
)
にも、礼之進が推参に及んだ、というきっさきなり、何となく、この縁、纏まりそうで、一方ならず気に懸る。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今日は
午前
(
ひるまえ
)
花さんがお父さんとお母さんに叱られ、
午後
(
ひるすぎ
)
は
乃公
(
おれ
)
が花さんに叱られた。世の中は上から下へと順繰りに叱りこしているようなものだ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
午後
(
ひるすぎ
)
の天気は、そよそよと萩や、柿の葉を鳴らす風の少しあるばかりで、日本晴れのした好い日和でありました。
嵐の夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
歳晩にはありがちの、春のごと暖き
午後
(
ひるすぎ
)
を、はる/″\湘南の地より移り住みこゝに世を忍ぶ身とはなりぬ。
滝野川貧寒
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
海の音遠き
午後
(
ひるすぎ
)
、湯上がりの
体
(
たい
)
を安楽
椅子
(
いす
)
に
倚
(
よ
)
せて、鳥の音の清きを聞きつつうっとりとしてあれば、さながら
去
(
い
)
にし春のころここにありける時の
心地
(
ここち
)
して
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
此
(
この
)
以前
(
いぜん
)
僕
(
ぼく
)
が
此處
(
こゝ
)
へ
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
の
事
(
こと
)
である、
或日
(
あるひ
)
の
午後
(
ひるすぎ
)
僕
(
ぼく
)
は
溪流
(
たにがは
)
の
下流
(
しも
)
で
香魚釣
(
あゆつり
)
を
行
(
や
)
つて
居
(
ゐ
)
たと
思
(
おも
)
ひ
玉
(
たま
)
へ。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
昨日の
午後
(
ひるすぎ
)
でござりました。手前、何気なくこの先の竹林に
筍
(
たけのこ
)
を探しに参ったのでございます。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
午後
(
ひるすぎ
)
までには来ないかもしれない、もうここらで切上げようかしら、こうも思ってはみたものの、死んだお藤や、伊助の狂乱を考えると、ここまで漕ぎつけて打ち切ることは
早耳三次捕物聞書:02 うし紅珊瑚
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
今日も、
午後
(
ひるすぎ
)
の薄陽の射してる内から、西北の空ッ風が、砂ッ埃を捲いて来ては、人の袖口や
襟首
(
えりくび
)
から、
会釈
(
えしゃく
)
も無く潜り込む。夕方からは、一層冷えて来て、人通りも、恐しく少い。
越後獅子
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
毎朝御飯前と
午後
(
ひるすぎ
)
、学校からお帰りになると
必
(
きつ
)
と
練習
(
おさら
)
ひなさるが、俺達のやうな解らないものが聞いてさへ面白いから、何時でも其時刻を計つて西洋間の窓の下に
恍惚
(
うつとり
)
と聞惚れてゐる。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
いと暑き日の
午後
(
ひるすぎ
)
、われは共同の廣間に出でしに、緑なる蔓草の纏ひ付きたる
窓櫺
(
さうれい
)
の下に、姫の
假寢
(
うたゝね
)
し給へるに會ひぬ。
纖手
(
せんしゆ
)
もて
頬
(
ほ
)
を支へて眠りたるさま、只だ
戲
(
たはぶれ
)
に目を閉ぢたるやうに見えたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
笹野新三郎から町奉行に申入れ、町奉行から、御腰物方に傳へて、翌る日の
午後
(
ひるすぎ
)
にはもう、『拵へ不行屆』といふ名目で彦四郎貞宗を、もう一度、根津の御用達石川良右衞門の手に戻されたのです。
銭形平次捕物控:072 買つた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『斯うしませう、明後日の
午後
(
ひるすぎ
)
といふことにしませう。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
桑の果の赤きものかげより、
午後
(
ひるすぎ
)
の
水面
(
みのも
)
は光り
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
明日の
午後
(
ひるすぎ
)
には此疑団如何に氷解するや
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
涼しい風に搖られる
午後
(
ひるすぎ
)
。
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
残暑の日盛り蔵書を曝すのと、風のない
初冬
(
はつふゆ
)
の
午後
(
ひるすぎ
)
庭の落葉を
焚
(
た
)
く事とは、わたくしが独居の生涯の最も
娯
(
たの
)
しみとしている処である。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
赤坂
氷川町
(
ひかわまち
)
なる片岡中将の邸内に
栗
(
くり
)
の花咲く六月半ばのある土曜の
午後
(
ひるすぎ
)
、主人子爵片岡中将はネルの
単衣
(
ひとえ
)
に
鼠縮緬
(
ねずみちりめん
)
の
兵児帯
(
へこおび
)
して、どっかりと書斎の
椅子
(
いす
)
に
倚
(
よ
)
りぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
これよと
仰
(
おほ
)
せらる、一しきり
終
(
おは
)
りての
午後
(
ひるすぎ
)
、お
茶
(
ちや
)
ぐわし
山
(
やま
)
と
擔
(
かつ
)
ぎ
込
(
こ
)
めば
大皿
(
おほさら
)
の
鐵砲
(
てつぽう
)
まき
分捕次第
(
ぶんどりしだい
)
と
沙汰
(
さた
)
ありて、
奧樣
(
おくさま
)
は
暫時
(
しばし
)
のほど二
階
(
かい
)
の
小間
(
こま
)
に
氣
(
き
)
づかれを
休
(
やす
)
め
給
(
たま
)
ふ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
午後
(
ひるすぎ
)
は大概不在だろうと思って行ったら、果して留守だった。どうせ書生はいるだろうと思っていたが、此奴もいない。
下女
(
げじょ
)
は頻りと洗濯をしていた。乃公は早速薬室へ通った。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
衆議院が解散された二十五日の
午後
(
ひるすぎ
)
、茶話記者は北浜のある
理髪床
(
かみゆひどこ
)
で髪を刈つてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
午後
(
ひるすぎ
)
、宮ヶ崎町の方から、ツンツンとあちこちの二階で綿を打つ音を、時ならぬ
砧
(
きぬた
)
の合方にして、浅間の社の南口、裏門にかかった、島山夫人、早瀬の二人は、花道へ出たようである。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
笹野新三郎から町奉行に申入れ、町奉行から、御腰物方に伝えて、
翌
(
あく
)
る日の
午後
(
ひるすぎ
)
にはもう、『拵え不行届』という名目で彦四郎貞宗を、もう一度、根津の御用達石川良右衛門の手に戻されたのです。
銭形平次捕物控:072 買った遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『ホホヽヽ、今
午後
(
ひるすぎ
)
の三時頃ですよ
祖母
(
おばあ
)
さん。御気分は?』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
午後
(
ひるすぎ
)
のおぼつかない
觸覺
(
てざはり
)
のやうに
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
桜のさく或日の
午後
(
ひるすぎ
)
小石川
(
こいしかわ
)
の
家
(
いえ
)
から父と母とに連れられてここまで来るには車の上ながらも非常に遠かった。東京の
中
(
うち
)
ではないような気がした。
霊廟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今日ぞ一週といふ其
午後
(
ひるすぎ
)
より我れとおぼえて粥の湯のゆくやうに成りぬ、やかましけれども心切あふるゝ佐助翁が介抱、おそよが待遇、いづれもいづれも心付きては涙こぼるゝ嬉しの人々に
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
(アバ大人ですか、ハハハ今日の
午後
(
ひるすぎ
)
。)
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
九月、
午後
(
ひるすぎ
)
、日の光——
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
室
(
へや
)
の障子に冬の日が差込んで來た。置時計が優しい小さな音でもう三時を打つた。
午後
(
ひるすぎ
)
の冬の日は
黄
(
きいろ
)
い色をしていかにも軟く穩かに輝いてゐる。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「昨日の
午後
(
ひるすぎ
)
でした。」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
九月
午後
(
ひるすぎ
)
、忍びあし。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
朝の
中
(
うち
)
長崎についた船はその日の夕方近くに
纜
(
ともづな
)
を解き、次の日の
午後
(
ひるすぎ
)
には
呉淞
(
ウースン
)
の河口に入り、暫く
蘆荻
(
ろてき
)
の間に潮待ちをした後、
徐
(
おもむろ
)
に上海の
埠頭
(
はとば
)
に着いた。
十九の秋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
九月
午後
(
ひるすぎ
)
、日の光——
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
すると思ふともなく比較するのは、今日の
午後
(
ひるすぎ
)
、箱根から歸り道に見た相模灘、
酒匂川
(
さかはがは
)
、
馬入川
(
ばにふがは
)
、箱根の連山、其の上に聳えた富士の山の景色であつた。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
干しにゆく日の
午後
(
ひるすぎ
)
に
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そして或日曜日の
午後
(
ひるすぎ
)
、
紐育
(
ニューヨーク
)
中央公園のベンチで新聞を読んでいた時、わたくしの顔を見て、立止ると共にわたくしの名を呼んだ紳士があった。誰あろう。
向島
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今から丁度十年ほど前、自分は木曜会の
葵山
(
きざん
)
渚山
(
しょざん
)
湖山
(
こざん
)
なぞいう文学者と共に、やはり桜の花のさく或日の
午後
(
ひるすぎ
)
、あの五重の塔の下あたりの
掛茶屋
(
かけぢゃや
)
に休んだ。
霊廟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
丁度
梅雨
(
ばいう
)
の時節、幾日となく降りつゞいた雨がふと其日の
午後
(
ひるすぎ
)
に
小止
(
をや
)
みした。
夜
(
よ
)
の明けたやうに、パツと流れて來る日の光の強さは、もうすつかり夏である。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
此の寺の鐘は冬の
午後
(
ひるすぎ
)
に能く聞馴れた響なので、自分の胸には冬に感ずる冬の悲しみが時ならず呼起され、世の中には歓楽も色彩も
何
(
なん
)
にもないやうな気がして
花より雨に
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此の寺の鐘は冬の
午後
(
ひるすぎ
)
に能く聞馴れた響なので、自分の胸には冬に感ずる冬の悲しみが時ならず呼起され、世の中には歡樂も色彩も
何
(
なん
)
にもないやうな氣がして
花より雨に
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
空は日毎に青く澄んで、よく花見帰りの
午後
(
ひるすぎ
)
から突然暴風になるやうな気候の激変は全くなくなつた。
花より雨に
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
空は日毎に青く澄んで、よく花見歸りの
午後
(
ひるすぎ
)
から突然暴風になるやうな氣候の激變は全くなくなつた。
花より雨に
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
午後
(
ひるすぎ
)
も三時過ぎてから、ふらりと郊外へ散歩に出る。行先さだめず歩みつづけて、いつか名も知らず方角もわからぬ町のはずれや、寂しい川のほとりで日が暮れる。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ふと小石川の事を思出して、
午後
(
ひるすぎ
)
に一人幾年間見なかった伝通院を
尋
(
たずね
)
た事があった。近所の町は見違えるほど変っていたが
古寺
(
ふるでら
)
の
境内
(
けいだい
)
ばかりは昔のままに残されていた。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“午後(午前と午後)”の解説
午前(ごぜん)と午後(ごご)は、正子(真夜中)と正午(真昼)を境界にした時刻の区分である。時刻を12時間制で表現する場合は「午前」または「午後」を付加する。
(出典:Wikipedia)
午
常用漢字
小2
部首:⼗
4画
後
常用漢字
小2
部首:⼻
9画
“午後”で始まる語句
午後五時
午後六時
午後中
午後の茶
午後一時
午後二時
午後四時
午後四時半
午後四時頃
午後二時半頃