“鼠縮緬”の読み方と例文
読み方割合
ねずみちりめん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
赤坂氷川町ひかわまちなる片岡中将の邸内にくりの花咲く六月半ばのある土曜の午後ひるすぎ、主人子爵片岡中将はネルの単衣ひとえ鼠縮緬ねずみちりめん兵児帯へこおびして、どっかりと書斎の椅子いすりぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
鼠縮緬ねずみちりめんの頭巾のうちより、ひややかなる瞳を放ちて「フウ、駿河台の猫股婆ねこまたばば、縄張うちへ踏込んだな。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紋羽二重もんはぶたえや、鼠縮緬ねずみちりめんの衣物——繻珍しゅちんの丸帯に、博多はかた繻子しゅすとの昼夜帯、——黒縮緬の羽織に、宝石入りの帯止め——長浜へ行った時買ったまま、しごきになっている白縮緬や
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)