“鼠坂”の読み方と例文
読み方割合
ねずみざか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それから取っ組み合いが始まったが、恐ろしく強い野郎で、その上匕首あいくちを持ってやがる。切尖きっさきけるはずみに、鼠坂ねずみざか逆落さかおとしだ」
小日向こびなたから音羽おとわへ降りる鼠坂ねずみざかと云う坂がある。鼠でなくては上がり降りが出来ないと云う意味で附けた名だそうだ。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
居住者として町をながめるのもその春かぎりだろうか、そんな心持ちで私は鼠坂ねずみざかのほうへと歩いた。毎年のように椿つばきの花をつける静かな坂道がそこにある。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)