“鼠不入”の読み方と例文
読み方割合
ねずみいらず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その窓の下の方に、一寸した煩事用の仕掛があって、その横の棚にある鼠不入ねずみいらずの中には茶椀などの食器類がごちゃごちゃと入っている。
過渡人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
だが、薄暗い六畳の一間をのぞくと、枕屏風まくらびょうぶと、鼠不入ねずみいらずのほか、何もない古畳の真ん中に、一人の図う体の大きな男が、仰向けに寝転ねころがっている。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鼠不入ねずみいらずの中にも落葉がはいっていた。本箱の中にもまた落葉が舞い込んでいた。一枚々々皆見覚えた樹木の葉である。
写況雑記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)