“紋羽二重”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もんはぶたえ75.0%
もんはぶたへ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紋羽二重もんはぶたえや、鼠縮緬ねずみちりめんの衣物——繻珍しゅちんの丸帯に、博多はかた繻子しゅすとの昼夜帯、——黒縮緬の羽織に、宝石入りの帯止め——長浜へ行った時買ったまま、しごきになっている白縮緬や
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
紋羽二重もんはぶたえ被布ひふを着て厚い座布団の上にわり浅黄鼠あさぎねず縮緬ちりめん頭巾ずきんで鼻の一部が見える程度に首を包み頭巾の端が眼瞼まぶたの上へまでれ下るようにしほおや口などもかくれるようにしてあった。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
紋羽二重もんはぶたへ肉色鹿子にくいろがのこを掛けたる大円髷おほまるわげより水はるばかりに、玉の如きのどを白絹のハンカチイフに巻きて、風邪気かぜけなどにや、しきり打咳うちしはぶきつつ、宮は奥より出迎に見えぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
紋羽二重もんはぶたへ小豆鹿子あづきかのこ手絡てがらしたる円髷まるわげに、鼈甲脚べつこうあし金七宝きんしつぽうの玉の後簪うしろざしななめに、高蒔絵たかまきゑ政子櫛まさこぐしかざして、よそほひちりをもおそれぬべき人のひ知らず思惑おもひまどへるを、可痛いたはしのあらしへぬ花のかんばせ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)