“打咳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うちしわぶ60.0%
うちしはぶ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
廉平は、ものも言わずに歩行あるいた声をまず調えようと、打咳うちしわぶいたが、えへん! と大きく、調子はずれに響いたので、襯衣しゃつの袖口のゆるんだ手で、その口許をおおいながら
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
遠くから長廊下をけて来た呼吸いきづかい、番頭は口に手を当てて打咳うちしわぶ
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紋羽二重もんはぶたへ肉色鹿子にくいろがのこを掛けたる大円髷おほまるわげより水はるばかりに、玉の如きのどを白絹のハンカチイフに巻きて、風邪気かぜけなどにや、しきり打咳うちしはぶきつつ、宮は奥より出迎に見えぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
やゝとき乘客じようかくは、活佛くわつぶつ——いまあらたにおもへる——の周圍しうゐあつまりて、一條いちでう法話ほふわかむことをこひねがへり。やうや健康けんかう囘復くわいふくしたる法華僧ほつけそうは、よろこんでこれだくし、打咳うちしはぶきつゝ語出かたりいだしぬ。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)