“風邪気”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かぜけ85.7%
かざけ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
甲州在陣中、何か生理的に鬱屈うっくつしていたものが、はじめて発散したように快適を覚えた。風邪気かぜけの微熱が除かれたように軽々した。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は自分の風邪気かぜけの事を一口も細君にいわなかった。細君の方でも一向其所そこに注意していない様子を見せた。それで双方とも腹の中には不平があった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
風邪気かざけの庄亮に私は私の緑のレインコートを頭からかぶせた。私の黒いアルパカが吹かれる、吹かれる、吹かれる。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
数日来風邪気かざけで悩んでゐた与里は、この朝も、春だといふのに重たい冬の外套をきて、嵐の繁吹しぶきを浴びながら出勤したのだが、無理が遂に祟つたらしい。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)