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風邪気
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かぜけ
ふりがな文庫
“
風邪気
(
かぜけ
)” の例文
甲州在陣中、何か生理的に
鬱屈
(
うっくつ
)
していたものが、はじめて発散したように快適を覚えた。
風邪気
(
かぜけ
)
の微熱が除かれたように軽々した。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は自分の
風邪気
(
かぜけ
)
の事を一口も細君にいわなかった。細君の方でも一向
其所
(
そこ
)
に注意していない様子を見せた。それで双方とも腹の中には不平があった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
紋羽二重
(
もんはぶたへ
)
の
肉色鹿子
(
にくいろがのこ
)
を掛けたる
大円髷
(
おほまるわげ
)
より水は
滴
(
た
)
るばかりに、玉の如き
喉
(
のど
)
を白絹のハンカチイフに巻きて、
風邪気
(
かぜけ
)
などにや、
連
(
しきり
)
に
打咳
(
うちしはぶ
)
きつつ、宮は奥より出迎に見えぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
風邪気
(
かぜけ
)
で熱のある頭の重たさに悩んでいたのだが、そんな気持は消えてしまって、はげしく
動悸
(
どうき
)
のする胸を押えて
佇
(
たたず
)
んでいた。彼の頭には、下敷になった二人の事ばかりが
渦巻
(
うずま
)
いていた。
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「先生は
風邪気
(
かぜけ
)
でおやすみですから……どうですかうかがってみましょう」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
▼ もっと見る
或時お
兄
(
に
)
い
様
(
さま
)
は
風邪気
(
かぜけ
)
だといって寝ていらっしゃいました。下のお部屋です。そっと顔を出して、「いかがです」といいましたら、目くばせをなさるので、その方を見ますと、鳩が二羽来ています。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
『——ね、いっその事、二階へあがって、お話しなさいな。右衛門七は、きょうはすこし、
風邪気
(
かぜけ
)
だと云って、
草双紙
(
くさぞうし
)
なんか読んで退屈しているんですから』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嫂
(
あによめ
)
が
風邪気
(
かぜけ
)
なので、彼女が代理として
饗応
(
もてなし
)
の席に出たら、Hさんが兄といっしょに旅行する話を始めたと告げた。彼女は喜ばしそうな調子で、自分に礼を述べた。父からも
宜
(
よろ
)
しくとの事であった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「先生が
風邪気
(
かぜけ
)
なんで……」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「きのうから、お
風邪気
(
かぜけ
)
だそうで、
引
(
ひ
)
き
籠
(
こも
)
っておられるとか、伺いましたが」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四、五日前、
栃木
(
とちぎ
)
あたりの峠で豪雨にあい、それから後、少しからだが
気懶
(
けだる
)
い。
風邪気
(
かぜけ
)
などというものは知らなかったが——なんとなくこよいは夜露がもの
憂
(
う
)
いのである。
藁屋
(
わらや
)
の下でもよい。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれどおやじさんは
風邪気
(
かぜけ
)
で寝ているし、ばあさんは着物がないとかあるとか、行きつけない警察を
億劫
(
おっくう
)
がってまだ取りに行かずにいるので——もしお客様がそう御覧になりたいというならば
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と云い、誰が
風邪気
(
かぜけ
)
、誰が病気といえば、すぐ
診
(
み
)
てまわる。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「てまえは御親類の米野の七郎兵衛どのの知合でござる。七郎兵衛どのの御案内で参る約束でござったが、生憎と、その七郎兵衛どのがお
風邪気
(
かぜけ
)
とやらのため、不勝手ながら、一人でお招きへ寄せてもらいに参った」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お
風邪気
(
かぜけ
)
で——」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
風
常用漢字
小2
部首:⾵
9画
邪
常用漢字
中学
部首:⾢
8画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“風邪気”で始まる語句
風邪気味