“びたせん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鐚銭70.4%
鐚錢29.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつか、月ノ宮の鳥居とりいの下で見たこともあるが、蛾次郎がじろうは、ただの物貰ものもらいとしか思わないので、いまの餅屋のおつりのうちから鐚銭びたせんを一枚なげて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
亭主が何しろ半兵衛で鐚銭びたせん一文持たないごろつきであるから、入院などとても覚束おぼつかない、助けると思ってここに治るまで寝かせてくれとすがり附いて頼んだ。
光の中に (新字新仮名) / 金史良(著)
「青錢や鐚錢びたせんを小粒に變へたのも、皆んな秀の野郎の細工さ。秀はあの屋敷の中の樣子が知りたかつたんだ」
と言つたやうな騷ぎ——、事實、人肌地藏の臺石の上に置いた青錢や鐚錢びたせんは、時々、丁銀や豆板銀に變つたり、まれには一分金に變つて居ることもあるのでした。