ゆるし)” の例文
甲「アイタ… 御免蒙る、全く貧の盗みでござる、命ばかりはお助けを願う、どうぞおゆるしお助けを願う、全く貧の盗みで、御免アヽ痛い/\…貧の盗みで」
余は鰥寡孤独かんかこどくうれいに沈むもの、或は貧困縷衣るいにして人目ひとめはばかるもの、或は罪にはじ暗処あんしょに神のゆるしを求むるもののもとを問い、ナザレの耶蘇いえすの貧と孤独とめぐみとを語らん
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
どうぞわたくしにもおゆるし下さい。わたくしはあの男を水の中から救ひ出しながら、さいリイケを辱めた奴だと気が附くや否や、それが厭になつて、復讐をしようと思ひました。
「老師。これでおゆるしが願われましょうか。」
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
よしや神様はおゆるしなさるとしても
彼はすべて柔和に渾て忠実なるに我は幾度いくたびか厳酷にして不実なりしや、これを思えば余は地に恥じ天に恥じ、報ゆべきの彼は失せ、ゆるしを乞うの人はなく、余は悔い能わざるの後悔にくるしめられ
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
ゆるし下さい。あれは過ぎ去った