)” の例文
「でも嬉しいことが一つあるよ。巴屋ともゑやの重三郎は勘當がりて、いよ/\和泉屋のお照と祝言することになつたとさ、めでたし/\ぢやないか」
梅鉢屋の女將おかみ赤毛氈あかまうせんを敷いた店頭みせさきに立つて、「御門内はお腰の物がりまへん。……やすんでおいでやす。……お腰の物を預けておいでやす。」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
さてその間、なにやかとごたごたしたが、自然のうちに御差止がれ、翌日(十一月四日)の正午から我が国はじまって以来のふぐり外科の施術にとりかかった。
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
殿様があなたを御贔屓ごひいきに遊ばすから知れやアしませんよ、あなたの御勘当ごかんどうりてから此のうち度々たび/\いでになれるように致しましたのも、皆わたくしが側で殿様へ旨くとりなし
「審判なしに宣告を下だすことは如何いかなる野蛮の法律もるさぬ」と一隅に叫けぶものあり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
はなあらしのおそろしきこゝろもらずおこらんにや、るさせたまへとてこひなればこそ忠義ちうぎきたへし、六しやく大男おほおとこをふるはせて打泣うちなきし、姿すがたおもへばさてつみふかし、六歳ろくさいのむかし
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
然れども或は勇士意氣に感じてはすなはち身を以てあひるし、或は受くる所は※に一日の粟、而かも甘じて己れを知る者の爲に死す。是の間の消息何ぞ至善あらむ、何ぞ目的あらむ、又何ぞ手段あらむ。
美的生活を論ず (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
篠田様の御議論を拝見して、始めてく父等の事業の不道理不徳義なる、説明を得たのでした、其れで私は、彼人あのかた良人をつとにすると云ふことは事情のるさないものと思ひあきらめ、又た一つには
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
御門内ごもんないはおこしものりません。おこしものをおあづかりいたします。』
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
みたしとならば彼地かしこませ、きなことでも松風まつかぜはし、氣儘きまヽくらさせるがめてもと、父君ちヽぎみ此處こヽにおるしのでければ、あまりとても可愛想かあいさうのこと、よし其身そのみねがひとてやうとほくに
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)