“無辺”の読み方と例文
旧字:無邊
読み方割合
むへん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぼくはこんなことを考えながら望遠鏡をとって東のほうを熱心にながめた、双眸そうぼうのふるかぎりはただ茫々寂々ぼうぼうじゃくじゃくたる無辺むへんの大洋である。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
しかし……しかし伊那丸いなまるさまは大せつな甲斐源氏かいげんじ一粒種ひとつぶだね、あわれ八まん、あわれいくさの神々、力わかき民部の采配さいはいに、無辺むへんのお力をかしたまえ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
犇々ひしひしと身に迫って来るのを感じる、声を限りに叫んだが、反響エコーは岩の空洞よりオーイと返すのみ、自分は友を呼ぶ、反響は自分を冷嘲する、寥廓りょうかく無辺むへんの天の一角を彷徨さまようて
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)