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顛倒
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ひっくりかえ
ふりがな文庫
“
顛倒
(
ひっくりかえ
)” の例文
その小娘の十四になるのが
鰊
(
にしん
)
を一把持っていたが、橋の中央に往ったところで突然
顛倒
(
ひっくりかえ
)
って、起きた時には鰊はもう無かった。
堀切橋の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
口惜
(
くやし
)
くって
堪
(
たま
)
らないからおあさの足へかじり付きますと、ポーンと
蹴
(
け
)
られたから
仰向
(
あおむけ
)
に
顛倒
(
ひっくりかえ
)
ると、
頬片
(
ほっぺた
)
を二つ
三
(
み
)
つ
打
(
ぶ
)
ちました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
心得違いの気の入れどころが
顛倒
(
ひっくりかえ
)
っていたのであるから、手玉に取って、月村に空へ投出されたように思った。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
天秤棒に肩を入れ、
曳
(
えい
)
やっと立てば、腰がフラ/\する。膝はぎくりと
折
(
お
)
れそうに、体は
顛倒
(
ひっくりかえ
)
りそうになる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「ああああ——まるで自分のたましいは
顛倒
(
ひっくりかえ
)
ってしまった」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
男「おい/\番頭さん見てやれ/\、長く湯に
入
(
へえ
)
っていたものだから眼が
眩
(
まわ
)
って
顛倒
(
ひっくりかえ
)
ったのだろう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お時は一声叫ぶなり仰向けに
顛倒
(
ひっくりかえ
)
ったが、やっと正気づいて逃げ帰って三日工場を休んだ。
堀切橋の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
顛
漢検準1級
部首:⾴
19画
倒
常用漢字
中学
部首:⼈
10画
“顛倒”で始まる語句
顛倒上下
顛倒夢想
顛倒淋漓
顛倒狼狽
顛倒衆生