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反
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ふりがな文庫
“
反
(
かへ
)” の例文
やつと小学校へはひつた僕はすぐに「十郎が兄さんですよ」といひ、
反
(
かへ
)
つてみんなに笑はれたのを
羞
(
はづか
)
しがらずにはゐられなかつた。
素描三題
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いや、
反
(
かへ
)
つていろ/\の事が判つたやうな氣がするよ。三千兩の始末を、もう少し詳しく聞きたいが——一體どんな
經緯
(
いきさつ
)
なんだ」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
((莊賈ノ使者))
既
(
すで
)
に
往
(
ゆ
)
き、
未
(
いま
)
だ
反
(
かへ
)
るに
及
(
およ
)
ばず。((穰苴))
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
遂
(
つひ
)
に
莊賈
(
さうか
)
を
斬
(
き
)
り、
以
(
もつ
)
て三
軍
(
ぐん
)
に
徇
(
とな
)
ふ。三
軍
(
ぐん
)
の
士
(
し
)
皆
(
みな
)
(一九)
振慄
(
しんりつ
)
せり。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
丑松の父といふは、日頃極めて壮健な方で、
激烈
(
はげ
)
しい気候に
遭遇
(
であ
)
つても風邪一つ引かず、
巌畳
(
がんでふ
)
な
体躯
(
からだ
)
は
反
(
かへ
)
つて
壮夫
(
わかもの
)
を
凌
(
しの
)
ぐ程の隠居であつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼等の一疋はそれを見出す点で、他の一疋よりも
敏捷
(
びんせふ
)
であつた。併し、前足を用ゐて捉へる段になると、別の一疋の方が
反
(
かへ
)
つて機敏であつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
▼ もっと見る
此の立つは
私
(
わたくし
)
ならず、人ひとり
守
(
も
)
るとにあらず、
皇国
(
すめぐに
)
をただに清むと、正しきにただに
反
(
かへ
)
すと、心からいきどほる我はや。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
東は花柳に
沈湎
(
ちんめん
)
せざるもののおのづからにして真福多く天佑有るを云ひ、西は帝王の言の出でゝ
反
(
かへ
)
らざることを云へり。
東西伊呂波短歌評釈
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
始めを
原
(
たづ
)
ねて
終
(
をは
)
りに
反
(
かへ
)
らば、死生の理を知る、何ぞ其の
易簡
(
いかん
)
にして明白なるや。吾人は當に此の理を以て
自省
(
じせう
)
すべし。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
山上憶良は、或る男が、両親妻子を軽んずるのをみて、その不心得を
諭
(
さと
)
して、「惑情を
反
(
かへ
)
さしむる歌」というのを作った、その反歌がこの歌である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
この
夫人
(
ふじん
)
も
美
(
うつく
)
しいが、LI
子
(
こ
)
がゐたら、これも一
際
(
きわ
)
目
(
め
)
に
立
(
た
)
つであらうことを
想像
(
そうぞう
)
したりしたが、しかし
今夜
(
こんや
)
LI
子
(
こ
)
のゐないことは
反
(
かへ
)
つて
自由
(
じゆう
)
であつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
お
祖父
(
ぢい
)
さまは此時
冗談
(
じようだん
)
半分に革の大きい金入れを出し、中をあちらこちらと
反
(
かへ
)
して見て居られました。さうして
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
紛
(
まが
)
ふ
方
(
かた
)
なく
其處
(
そこ
)
には、
普通
(
あたりまへ
)
の
鼻
(
はな
)
よりも
獅子
(
しゝ
)
ッ
鼻
(
ぱな
)
に
酷似
(
そつくり
)
の、
甚
(
ひど
)
くそッくり
反
(
かへ
)
つた
鼻
(
はな
)
がありました、
又
(
また
)
其眼
(
そのめ
)
も
赤子
(
あかご
)
にしては
非常
(
ひじよう
)
に
小
(
ちひ
)
さすぎました、
全
(
まつた
)
く
愛
(
あい
)
ちやんは
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
われは
自
(
みづ
)
から問ひ、自から答へて安らかなる心を以て
蓬窓
(
ほうさう
)
に
反
(
かへ
)
れり。わが
視
(
み
)
たる群星は未だ念頭を去らず、静かに燈を
剪
(
き
)
つて書を読まんとするに、我が心はなほ彼にあり。
一夕観
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
繰り
反
(
かへ
)
して歌つたサラミヤ姫は、孔雀が
翼
(
はね
)
を凋めるやうに静かに
欄干
(
てすり
)
に凭り掛りました、——人々は眠つて居るのです、もうさつきまで開かれてゐた宮殿の宴の会も終つて
青白き公園
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
三五八
人かならず虎を害する心なけれども、虎
反
(
かへ
)
りて人を
傷
(
やぶ
)
る
意
(
こころ
)
ありとや。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
良寛さんが怒りもせず、
反
(
かへ
)
つて礼をいつたので、それからあと、気が咎めてならなかつたことを話した。寝ようとしても寝つかれないので、妻が止めるのもきかずに、
謝罪
(
あやま
)
りに来た事を話した。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
反
(
かへ
)
つて
苦
(
く
)
に
病
(
や
)
み
年頃
(
としごろ
)
に成し身にしてあの如く
外
(
そと
)
へも出ねば
癆症
(
らうしやう
)
も
發
(
おこ
)
りやすらん
一個
(
ひとり
)
の
外
(
ほか
)
掛替のなき者なるを
病
(
やまひ
)
起
(
おこ
)
らば
如何
(
いかに
)
せんと
長年
(
ながねん
)
勤
(
つとむ
)
る
管伴
(
ばんたう
)
の忠兵衞を
聘
(
よ
)
び事の由を話して
折
(
をり
)
も有しならば息子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
反
(
かへ
)
つて先生のお気を悪くしてはならないと思ひましたから、私は階段のところで声を呑み、流れる涙を押拭つて、二階へ上つて先生のやすんでゐらつしやる部屋へ行きましたが、もう駄目でした。
忘れ難きことども
(新字旧仮名)
/
松井須磨子
(著)
木々はみなその白き葉裏を
反
(
かへ
)
す。
無題
(新字旧仮名)
/
富永太郎
(著)
溌溂
(
はつらつ
)
と
跳
(
は
)
ね
反
(
かへ
)
らせる風。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
雨はね
反
(
かへ
)
す
欵冬
(
ふき
)
の葉を
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
「恐ろしく惡智惠の廻る女さ。が、そんな細工をしたばかりに、
反
(
かへ
)
つて頓死で濟むお冬の死骸を、俺がもう一度調べる氣になつたのだ」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
のみならず
反
(
かへ
)
つて深くなるのです。僕は一時間ばかり歩いた後、一度は上高地の温泉宿へ引き返すことにしようかと思ひました。
河童
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
病気になつたのも、実は其結果さ。しかし病気の為に、
反
(
かへ
)
つて僕は救はれた。それから君、考へてばかり居ないで、働くといふ気になつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
景公
(
けいこう
)
、
諸大夫
(
しよたいふ
)
と
郊
(
かう
)
に
迎
(
むか
)
へ、
師
(
し
)
を
勞
(
ねぎら
)
ひ
禮
(
れい
)
を
成
(
な
)
し、
然
(
しか
)
る
後
(
のち
)
反
(
かへ
)
つて
(三二)
寢
(
しん
)
に
歸
(
かへ
)
る。
既
(
すで
)
にして
穰苴
(
じやうしよ
)
を
見
(
み
)
、
尊
(
たつと
)
んで
大司馬
(
たいしば
)
と
爲
(
な
)
す。
田氏
(
でんし
)
日
(
ひ
)
に
以
(
もつ
)
て
益〻
(
ますます
)
齊
(
せい
)
に
尊
(
たつと
)
し。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
そこでは焼いたり切つたりするのは、
徒
(
いたづ
)
らに
目蓋
(
まぶた
)
を傷つけるばかり、
反
(
かへ
)
つて
目容
(
めつき
)
を醜くするし、気永に療治した方がいゝといふので、其の通りにしてゐるのであつた。
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
篦
(
へら
)
や篦、漆掻く篦、篦はよし、色掻き交ぜ、たらりとよ、垂りしたたらす。ぬめりや漆のねばり、たらりとよ一つ
反
(
かへ
)
し、つるりとよ二つ
反
(
かへ
)
し、日に透かし、時をや見る。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
反
(
かへ
)
つて私が法螺でも吹いてゐるんぢやないかといふ風に空々し気な眼を輝かせてゐた。
鱗雲
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
爰に於て、吾人は読者を促がして前号の題目に
反
(
かへ
)
らんことを請ふの要あり。
明治文学管見:(日本文学史骨)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
お
勸
(
すゝめ
)
申しに參りましたと
言
(
いひ
)
ければ長三郎は
片頬
(
かたほ
)
に
笑
(
ゑ
)
み今に初ぬ
和郎
(
そなた
)
の
親切
(
しんせつ
)
主人思ひは有難けれど
憖
(
なま
)
じ戸外へ出る時は
反
(
かへ
)
つて身の
毒
(
どく
)
目の毒なれば
只
(
たゞ
)
居
(
ゐ
)
馴染
(
なじみ
)
し居間に居て好な書物を
讀
(
よみ
)
ながら庭の青葉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「決して熱なんかは無くつてよ、
反
(
かへ
)
つて冷たい位だわ」
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
赤土
(
あかつち
)
の道より
黒土
(
くろつち
)
の坂となり往くも
反
(
かへ
)
るも心にぞ
留
(
と
)
む
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
反身
(
そりみ
)
なる若き女の
裳
(
もすそ
)
を
反
(
かへ
)
す。
無題
(新字旧仮名)
/
富永太郎
(著)
反
(
かへ
)
つて
甚
(
はなはだ
)
篤
(
あつ
)
かりしかば、デ・クインシイも
亦
(
また
)
その襟懐に服して百年の心交を結びたりと云ふ。カアライルが誤訳の
如何
(
いか
)
なりしかは知らず。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ひどい
蝋燭瘡
(
らふそくかさ
)
だと、——自分でも言つて居ますよ。そんなのは
反
(
かへ
)
つて惡く執念深いんですね。
悟
(
さと
)
りすましたやうな事は言つてゐますが」
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
酒気が身体へ廻つたと見えて、頬も、耳も、手までも
紅
(
あか
)
く成つた。丑松は又、一向顔色が変らない。飲めば飲む程、
反
(
かへ
)
つて頬は
蒼白
(
あをじろ
)
く成る。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
反
(
かへ
)
つて
(四八)
浮淫
(
ふいん
)
の
蠧
(
と
)
を
擧
(
あ
)
げて・
之
(
これ
)
を
(四九)
功實
(
こうじつ
)
の
上
(
うへ
)
に
加
(
くは
)
ふるを
疾
(
うれ
)
へ、
以爲
(
おも
)
へらく、
(五〇)
儒者
(
じゆしや
)
は
文
(
ぶん
)
を
用
(
もつ
)
て
法
(
はふ
)
を
亂
(
みだ
)
し、
而
(
しかう
)
して
(五一)
侠者
(
けふしや
)
は
武
(
ぶ
)
を
以
(
もつ
)
て
禁
(
きん
)
を
犯
(
をか
)
す。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
乾きや
潤
(
うる
)
ひや、にほひとや持ち味。漆は、漆はや、あやかし、こは子らよ
生物
(
いきもの
)
、かく言ひて一つ
反
(
かへ
)
し、二つ
反
(
かへ
)
し、たらりとよ、つるりとよ、
爺
(
をぢ
)
は見てゐつ、春の日永を。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
しかし体の自由になる時が近づいて来ると、うか/\過した五六年の月日が今更に懐かしいやうで、世のなかへ放たれて行かなければならぬのが、
反
(
かへ
)
つて不安でならなかつた。
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「さうね……」母は
反
(
かへ
)
つて困つてしまつた。「欲しいものがなければ仕方がありませんが——私は綾ちやんが何か考へてるやうですから、さつきのものが気にでも入らないのかと思つたのよ。」
秋雨の絶間
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
殘し非人に
左右
(
さいう
)
せらるゝ事なく
席薦
(
たゝみ
)
の上にて相
果
(
はて
)
先祖
累代
(
るゐだい
)
の
香華院
(
ぼだいしよ
)
に葬られ
始終
(
しじう
)
廟食
(
べうしよく
)
の
快樂
(
けらく
)
を受るは之れ則ち光が
賜物
(
たまもの
)
にして
仇
(
あだ
)
乍
(
ながら
)
も仇ならず
反
(
かへ
)
つて
恩
(
おん
)
とこそ思ふ可けれ依て元益親子は光を
恨
(
うら
)
む事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかし印度人の婆さんは、少しも怖がる
気色
(
けしき
)
が見えません。見えない所か唇には、
反
(
かへ
)
つて人を
莫迦
(
ばか
)
にしたやうな微笑さへ浮べてゐるのです。
アグニの神
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あれだけだと、俺も金之丞を疑ふ氣にはならなかつたかも知れないが、死體の側へ佐吉の煙草入れを落したのが、細工過ぎて
反
(
かへ
)
つて惡かつた。
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
無言のまゝであの自然に對して來た芭蕉の姿が
反
(
かへ
)
つてなつかしいといふのが、松島に遊んだ時の北村君の話であつた。
芭蕉
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
寒くて風の少ない日などはその揺れる
秀
(
ほ
)
さきばかりがこまかな光りを
反
(
かへ
)
してゐる。
孟宗と七面鳥
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「……お嬢さんには……」と
称
(
よ
)
ばれた。他の言葉はお蝶には聞きとれなかつた。
性
(
しやう
)
は、とつくに悟られてゐて、
反
(
かへ
)
つて冷かされたのではないかしら(お嬢さん、だつて!)——お蝶はそんな気がした。
お蝶の訪れ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
何を云ふにも江戸を立つて、今夜が始めての泊りぢやあるし、その鼾が耳へついて、あたりが静になりやなる程、
反
(
かへ
)
つて妙に寝つかれ無え。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
相變らずの無駄と遊びの多い話し振りですが、この調子でないと、
反
(
かへ
)
つてテンポが惡いのですから、誠に厄介な人達です。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
下市
(
しもいち
)
の驛まで乘つて行つたころは、遠く望んで見る大山でなしに、山の麓までも見得るやうになつた。雲の蒸す日で、山の頂きは隱れて見えなかつた。それが
反
(
かへ
)
つて山の
容
(
すがた
)
を一層大きく見せた。
山陰土産
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
燕
(
つばめ
)
とまるただち揺れ立つ
柳
(
やなぎ
)
の枝つかのま水につきつつ
反
(
かへ
)
る (五〇頁)
文庫版『雀の卵』覚書
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“反”の解説
反(たん、段とも書く)は、尺貫法の面積の単位。土地の面積に使われる反と、布の大きさを表す反とがある。これとは別に6間の長さを表す反もある。
(出典:Wikipedia)
反
常用漢字
小3
部首:⼜
4画
“反”を含む語句
反響
反対
反抗
反覆
反映
仰反
反對
反古
反射
反閇
反返
無反
往反
一反
相反
反歩
反応
文反古
正反対
背反
...