芭蕉ばしょう
佛蘭西の旅に行く時、私は鞄の中に芭蕉全集を納れて持つて行つた。異郷の客舍にある間もよく取出して讀んで見た。『冬の日』、『春の日』から、『曠野』、『猿簑』を經て『炭俵』にまで到達した芭蕉の詩の境地を想像するのも樂しいことに思つた。 昔の人の書 …