のけ)” の例文
新田は椅子から跳上はねあがった。然しその時、怪鳥は両の翼で彼を押包おしつつみ、新田は喉へ冷たいものが鋭く掴みかかるのを感じたまま椅子と共にのけざまに顛倒てんとうした。
廃灯台の怪鳥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
侍は提灯をあげて面態をしらべようとした、そのとき菅田平野の右手が伸び、侍の鼻柱(眼と眼の中間)を発止はっしと突いた。侍はのけざまによろめき、提灯を手からとばした。
日日平安 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「うーむ」とうめいてのけざまに気絶する奴。
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)