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反
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そり
ふりがな文庫
“
反
(
そり
)” の例文
この二つの互いに喰違って
反
(
そり
)
の合わないような活動が入り乱れたりコンガラカッたりして開化と云うものが出来上るのであります。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから、自分の短い、
反
(
そり
)
のついた剣をはずして、パーシウスが前から下げていた剣の代りに、それを彼につけてやりました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
芭蕉は許六の「名将の橋の
反
(
そり
)
見る扇かな」にさへ、「此句は名将の作にして、句主の手柄は少しも無し」と云ふ評語を下した。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
若旦那樣も私とは
反
(
そり
)
が合はず、殊に御新造樣はやかましい方で、私とお孃さんが、親しく口をきいても目に
角
(
かど
)
を立てます。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
細川侯であるとないとにかかわらず、いったいが大名の行列というものが、道庵と米友の
反
(
そり
)
に合わないことは中仙道熊谷在の例でもわかりましょう。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
続いたのが、例の
高張
(
たかはり
)
を揚げた威勢の
可
(
い
)
い、水菓子屋、
向顱巻
(
むこうはちまち
)
の結び目を、山から飛んで来た、と
押立
(
おった
)
てたのが、仰向けに
反
(
そり
)
を打って、
呵々
(
からから
)
と笑出す。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
チッバ
無理往生
(
むりわうじゃう
)
の
堪忍
(
かんにん
)
と
持前
(
もちまへ
)
の
癇癪
(
かんしゃく
)
との
出逢
(
であ
)
ひがしらで、
挨拶
(
あいさつ
)
の
反
(
そり
)
が
合
(
あは
)
ぬゆゑ、
肉體中
(
からだぢゅう
)
が
顫動
(
ふるへ
)
るわい。
引退
(
ひきさが
)
らう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
昔からエジプト人と
反
(
そり
)
が合わないで、今日でもエジプト人(フェラヒン)との間では婚姻が行われないそうだ。
七重文化の都市
(新字新仮名)
/
野上豊一郎
(著)
彼は
生皮革
(
なまがわ
)
で巻いたマキリの
欛
(
つか
)
をシッカリと握り直した。谷川の石で
荒磨
(
あらとぎ
)
を掛けた
反
(
そり
)
の強い
白刃
(
しらは
)
を、自分の背中に押し廻しながら、左手で静かに扉を押した。
白菊
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今夜の会に
集
(
あつま
)
つた若い詩人は大抵
此
(
この
)
人の崇拝者である。四十五六歳の
筈
(
はず
)
だが三十五六にしか見えない若い男だ。黒い髪を長く垂れて
反
(
そり
)
身に成つて気取つた
物言
(
ものいひ
)
をする。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
反
(
そり
)
の凄い二尺八、九寸、新九郎は常に手馴れの木剣を小野派下段の型どおりに構え、ジリ……ジリと精根を柄にしぼって、ここ、
乾坤一擲
(
けんこんいってき
)
、真剣以上の捨身でつめ寄る。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
重
(
おも
)
きを誇りし
圓打
(
まるうち
)
の
野太刀
(
のだち
)
も、何時しか
銀造
(
しろがねづくり
)
の細鞘に
反
(
そり
)
を打たせ、清らなる
布衣
(
ほい
)
の下に
練貫
(
ねりぬき
)
の袖さへ見ゆるに、弓矢持つべき手に管絃の
調
(
しらべ
)
とは、言ふもうたてき事なりけり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
ふだんから
反
(
そり
)
が合わなかった。若者にはいつも他人の生活を横目で見ているようなしつっこいところがあった。おれはいつかやるかも知れないと末吉はふと思うこともあった。
日日の麺麭
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
野は秋も暮れて
木枯
(
こがらし
)
の風が立った。裏の森の
銀杏樹
(
いちょう
)
も
黄葉
(
もみじ
)
して夕の空を美しく
彩
(
いろど
)
った。垣根道には
反
(
そり
)
かえった落葉ががさがさと
転
(
ころ
)
がって行く。
鵙
(
もず
)
の
鳴音
(
なきごえ
)
がけたたましく聞える。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
持って通った場合もあろうが、多くは寺子屋の壁に掛けておいたようである。上部両端に
環
(
かん
)
がつき
紐
(
ひも
)
が添えてあるのが多い。板の左右には
端喰
(
はしばみ
)
を附ける。
反
(
そり
)
を妨ぐためである。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
力
(
ちから
)
ある
手
(
て
)
につよく
押
(
おさ
)
へて、一
時
(
じ
)
を
兎角
(
とかく
)
まぎらはす
事
(
こと
)
なり、
男
(
をとこ
)
ならでは
甲斐
(
かひ
)
のなきに、
其事
(
そのこと
)
あれば
夜
(
よ
)
といはず
夜中
(
よなか
)
と
言
(
い
)
はず、やがて
千葉
(
ちば
)
をば
呼立
(
よびた
)
てゝ、
反
(
そり
)
かへる
背
(
せ
)
を
押
(
おさ
)
へさするに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
武田家の家人に
佐分
(
さぶり
)
弥四郎があり、同書はまたこの家の事を述べて、佐分・佐分利は曾里という地名と同じ義にて、諸国に
反
(
そり
)
と書するものとともに焼畑のことなるべしといっている。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
……またこう考えることも
稀
(
まれ
)
ではなかった——どうして僕は一体こんなに風変りで、みんなと
反
(
そり
)
が合わないんだろう。先生とは喧嘩腰だし、ほかの子供たちからは仲間外れなんだろう。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
反
(
そり
)
の合はない数多い妻の弟達の中で、この修一だけは平生から私を好いてゐた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
提
(
さ
)
げて出た刀に
反
(
そり
)
を打たせ、グッと睨んだ眼付きには物凄じいものがあった。
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
崩れた跡の形まで覚えている城壁は、夜空にどっしり横にはっているし、屋根の
反
(
そり
)
返った古い
鐘楼
(
しょうろう
)
も黒々と
聳
(
そび
)
えていて、角の薬屋の
剥
(
は
)
げた金看板も元のままなのに、彼の家へ行く横町がないのだ。
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
孝助は
仮令
(
たとえ
)
如何
(
いか
)
なる
災
(
わざわい
)
があっても、それを恐れて一歩でも
退
(
しりぞ
)
くようでは大事を仕遂げる事は出来ぬと思い、刀に
反
(
そり
)
を打ち、
目釘
(
めくぎ
)
を
湿
(
しめ
)
し、
鯉口
(
こいぐち
)
を切り、用心堅固に身を固め、四方に心を配りて参り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
反
(
そり
)
高き
磴道
(
とうだう
)
を
来
(
く
)
る人ひとり
東陵
(
とうりよう
)
はげに冬によき山
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
反
(
そり
)
落葉にたまつた美しい露を
わがひとに与ふる哀歌
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
草絡
(
くさがら
)
み、
落葉
(
おちば
)
の
反
(
そり
)
に
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
軽く
反
(
そり
)
打つ身を映し
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
あのお
喋舌
(
しやべり
)
で浮氣つぽくて
容貌
(
きりやう
)
自慢で、若旦那とはまるつきり
反
(
そり
)
の合はないお萬と一緒にされるが嫌で、ツイ
自棄
(
やけ
)
なことがあつたかも知れないが
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それでも
夫
(
をつと
)
の
弟
(
おとうと
)
だと
思
(
おも
)
ふので、
成
(
な
)
るべくは
反
(
そり
)
を
合
(
あは
)
せて、
少
(
すこ
)
しでも
近
(
ちか
)
づける
樣
(
やう
)
に/\と、
今日迄
(
こんにちまで
)
仕向
(
しむ
)
けて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし、お代官だの、お殿様だのというもののお通りと、米友とは、あんまり
反
(
そり
)
が合わないのです。
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ニヤニヤとまた笑ったが、
胡瓜
(
きゅうり
)
の化けたらしい曲った刀が、剥きづらかったか、あわれ血迷って、足で白刃を、土間へ
圧当
(
おしあ
)
て
蹈延
(
ふみの
)
ばして、
反
(
そり
)
を直して、瞳に照らして、持直す。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
足拵
(
あしごしら
)
えは、
草鞋
(
わらじ
)
股立
(
ももだち
)
、大刀に
反
(
そり
)
を打たせて、中の二、三名は、槍を横に抱えている。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
刀に
反
(
そり
)
を烈しくうたせ、足先で地を噛みジリジリと進んだ。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と河原の中へ其の儘
反
(
そり
)
かえりました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
また、
反
(
そり
)
青き塔のつま。
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あのお
喋舌
(
しゃべり
)
で浮気っぽくて
容貌
(
きりょう
)
自慢で、若旦那とはまるっきり
反
(
そり
)
の合わないお万と一緒にされるが嫌で、ツイ
自棄
(
やけ
)
なことがあったかも知れないが
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
僕に云わせると、世間にありがちな
反
(
そり
)
の
合
(
あわ
)
ない本当の親子よりもどのくらい肩身が広いか分りゃしない。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
甲府勤番の
反
(
そり
)
の強さを見せつけて、駒井の
胆
(
たん
)
を奪うてやるような仕事はないか、駒井が着く早々縮み上って尾を捲いて向うから逃げ出すような
謀
(
はかりごと
)
があらば、これ以て甚だ痛快なる儀じゃ
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
俎板をポンと渡すと、目の下一尺の
鮮紅
(
からくれない
)
、
反
(
そり
)
を打って
飜然
(
ひらり
)
と乗る。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
巴屋さんの方はあの通り派手で、金持で、施しが好きで、江戸中に人気のある人だから、土台
反
(
そり
)
が合いません。
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一方から見ると、
他
(
ひと
)
と
反
(
そり
)
が合わなくなるように、現在の自分を作り上げた彼は気の毒なものであった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
由来、道庵と折助とは
反
(
そり
)
が合わないものの型になっている。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と見物の頬被りは、
反
(
そり
)
を打って
大
(
おおい
)
に笑う。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それはやくざ者などが好んで持つて歩く新刀物の
反
(
そり
)
のない長脇差で、
柄糸
(
つかいと
)
などは朱を塗つたやうに血に浸り、紫色に曇つた刀身などまことに物凄い限りです。
銭形平次捕物控:180 罠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
したがって同じ型に出来上ったこの夫婦は、
己
(
おの
)
れの要するものを、要する事のできないお互に対して、
初手
(
しょて
)
から求め合っていて、いまだにしっくり
反
(
そり
)
が合わずにいるのではあるまいか。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
主人の徳右衞門と、母親のお源は、伜を案じる不安にさいなまれて、何を訊いてもハキ/\とは返事をしてくれず、娘のお延は、兄嫁のお染とは
反
(
そり
)
が合はなかつたらしく
銭形平次捕物控:260 女臼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
反
(
そり
)
を打った中折れの茶の
廂
(
ひさし
)
の下から、深き
眉
(
まゆ
)
を動かしながら、見上げる頭の上には、
微茫
(
かすか
)
なる春の空の、底までも
藍
(
あい
)
を漂わして、吹けば
揺
(
うご
)
くかと怪しまるるほど柔らかき中に
屹然
(
きつぜん
)
として
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「奉公人は大抵奉公人同士庇ひ合ふものですが、お妾と居候には妙に
反
(
そり
)
が合はないやうですね」
銭形平次捕物控:261 弱い浪人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
御米には、自分が始めから小六に
嫌
(
きら
)
われていると云う自覚があった。それでも夫の弟だと思うので、なるべくは
反
(
そり
)
を合せて、少しでも近づけるように近づけるようにと、
今日
(
こんにち
)
まで仕向けて来た。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「お前とは
反
(
そり
)
が合ひさうもないが、パツパと金を
撒
(
ま
)
くから、近所の評判は決して惡くないよ」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
檜木風之進は一刀に
反
(
そり
)
を打たせると、狹いお勝手一パイに
肩肘
(
かたひぢ
)
を張りました。が、さう言ふ癖に風之進の顏は、妙にニヤニヤして、皮肉で虚無的で、妥協的でさへあつたのです。
銭形平次捕物控:231 鍵の穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“反”の解説
反(たん、段とも書く)は、尺貫法の面積の単位。土地の面積に使われる反と、布の大きさを表す反とがある。これとは別に6間の長さを表す反もある。
(出典:Wikipedia)
反
常用漢字
小3
部首:⼜
4画
“反”を含む語句
反響
反対
反抗
反覆
反映
仰反
反對
反古
反射
反閇
反返
無反
往反
一反
相反
反歩
反応
文反古
正反対
背反
...