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反
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そ
ふりがな文庫
“
反
(
そ
)” の例文
忽
(
たちま
)
ち、
縣下
(
けんか
)
豐岡川
(
とよをかがは
)
の
治水工事
(
ちすゐこうじ
)
、
第一期
(
だいいつき
)
六百萬圓
(
ろつぴやくまんゑん
)
也
(
なり
)
、と
胸
(
むね
)
を
反
(
そ
)
らしたから、
一
(
ひと
)
すくみに
成
(
な
)
つて、
内々
(
ない/\
)
期待
(
きたい
)
した
狐狸
(
きつねたぬき
)
どころの
沙汰
(
さた
)
でない。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
与次郎の説によると、あの女は
反
(
そ
)
っ
歯
(
ぱ
)
の気味だから、ああしじゅう歯が出るんだそうだが、三四郎にはけっしてそうは思えない。……
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今ごろ髪を七三などに結って、
下卑
(
げび
)
た
笑談口
(
じょうだんぐち
)
などきいて
反
(
そ
)
っくりかえっているそこらのお神なぞも、鼻持ちのならないものであった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
助九郎の刀が
反
(
そ
)
れ、武蔵の手が刀にかかろうとした瞬間にである。——そして双方で、じっと、闇の下へ沈みこむように
竦
(
すく
)
んでいる。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は一種の
痙攣
(
けいれん
)
にとらえられ、息をするためのように椅子の背に身を
反
(
そ
)
らせ、両腕をたれ、涙にぬれた顔をマリユスの前にさらした。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
紋綸子
(
もんりんず
)
の大座布団を敷き、銀糸の五つ紋の羽織りに上田織りの裏付けの袴をはいた殿さまが、天目茶碗と
高坏
(
たかつき
)
を据え、
反
(
そ
)
り身になって
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
と、その拍子に女はコートの右の
袖
(
そで
)
に男の手が
触
(
さわ
)
ったように思った。で、
鬼魅
(
きみ
)
悪そうに体を左に
反
(
そ
)
らしながら足早に歩いて往った。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
狂った頭を高々と
反
(
そ
)
らしながら事務室を出て行ったが、右へ折れると今度は
殆
(
ほとん
)
ど
駈足
(
かけあし
)
で、精神病患者の病棟の入口までやって来た。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
奇人にはちがいありませんが、
洒脱
(
しゃだつ
)
、
飄逸
(
ひょういつ
)
なところのない
今様
(
いまよう
)
仙人ゆえ、讃美する
的
(
まと
)
が
外
(
はず
)
れて、妙に
反
(
そ
)
ぐれてしまったのだと思います。
平塚明子(らいてう)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そこには着飾った森おじ——ではない森虎造が落ちつかぬ顔をしながら、強いて
反
(
そ
)
り
身
(
み
)
になって威厳を保とうとしているのだった。
鍵から抜け出した女
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
本堂と庫裡とをつなぐ板敷の間で、ずば抜けて背のひよろ長い、顔も劣らずに
馬面
(
うまづら
)
の、真白な
反
(
そ
)
つ
歯
(
ぱ
)
のすぐ目につく男が突立つてゐた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
その
中
(
うち
)
に屋根の
反
(
そ
)
ックリ
返
(
けえ
)
った、
破風造
(
はふづくり
)
のお化けみてえな台湾館が赤や青で塗り上って、
聖路易
(
セントルイス
)
の博覧会がオッ
初
(
ぱじ
)
まる事になりますと
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「しかし加納の家も変つたなあ!」……わるかつたかなと思ひながら、野田は
椅子
(
いす
)
の背をぐつと
反
(
そ
)
らせて、感歎するやうに云つた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
スタールツェフはますますふとって
脂
(
あぶら
)
ぎって来たので、ふうふう息をつきながら、今では頭をぐいとうしろへ
反
(
そ
)
らして歩いている。
イオーヌィチ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
いい気もちそうに
反
(
そ
)
っくり返って、「コレコレ、お前は何者か。不届きなやつめ! 早々退散いたしたほうが身のためであろうぞ」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「片刃で
反
(
そ
)
っくり返ったのは刀で、両刃で真っ直ぐなのはツルギさ。絵に描いた不動様が持ってなさるじゃありませんか、親分」
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昼見るといつも天主閣は、
蓊鬱
(
おううつ
)
とした松の間に
三層
(
さんぞう
)
の
白壁
(
しらかべ
)
を畳みながら、その
反
(
そ
)
り返った家根の空へ無数の
鴉
(
からす
)
をばら
撒
(
ま
)
いている。
疑惑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「なに、ロックフェラアか、いや、ロックフェラアも近頃の不景気では思ふ様に慈善も出来ない」と、剛造は
反
(
そ
)
り返つて
呵々
(
かゝ
)
と大笑せり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
投げだした左の足の長い親指の
反
(
そ
)
ったまで、しどけない御姿は花やかな
洋燈
(
ランプ
)
の夜の光に映りまして、昼よりは
反
(
かえっ
)
て御美しく思われました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
著者ポール氏自らかの孤児院に往きてその一人を
延見
(
ひきみ
)
しに普通の白痴児の容体で額低く歯やや
反
(
そ
)
り
出
(
で
)
動作軽噪時々歯を鳴らし下顎
攣
(
ひき
)
つる
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
やや寒うなりかけた
小亭
(
ちん
)
の、
反
(
そ
)
りかへつた小屋根の
端
(
はし
)
で、いくら振つても振つても、黄色い尻尾は、いよいよ切ない刻みを早めるばかしだ。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
二タうね撒いて、腰を延ばした善ニョムさんは、首をグッと
反
(
そ
)
らして、青い天を仰いでからユックリもとの位置へ首を直した。
麦の芽
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
音楽長は背の曲がった大きな老人で、
白髯
(
はくぜん
)
を
尻尾
(
しっぽ
)
のように
頤
(
あご
)
にたれ、
反
(
そ
)
り返った長い鼻をし、眼鏡をかけて、言語学者のような
風采
(
ふうさい
)
だった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼は
昂然
(
かうぜん
)
とゆるやかに胸を
反
(
そ
)
らし、踏張つて力む私の
襟頸
(
えりくび
)
と袖とを持ち、足で時折り
掬
(
すく
)
つて見たりしながら、実に
悠揚
(
いうやう
)
迫らざるものがある。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
あるひは
反
(
そ
)
り返るほど
後
(
うしろ
)
に振向きたる若衆の顔を描き、半分しか見えざる
仇
(
あだ
)
な
身体付
(
からだつき
)
によりて
巧
(
たくみ
)
に余情を紙外に
溢
(
あふ
)
れしめたり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
群集をもう一度見て
遣
(
つかわ
)
しもされずに、侯爵閣下は座席に
反
(
そ
)
り返って、
過
(
あやま
)
って何かのつまらぬ品物を壊したが、それの賠償はしてしまったし
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
何度も読んで暗記する程知っている映像を、𥇥の裏に浮かべて、細君は暫らく眼を瞑っていたが、忽ち、ぎょっとして
反
(
そ
)
ると、椅子が鳴った。
双面獣
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
田原は仰山に後へ身を
反
(
そ
)
らした。羞しさをまぎらす爲めには、どうしても冗談口をきかなくてはゐたゝまれないのであつた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
恐らく其の当時、半七老人は幡随院長兵衛の二代目にでもなったような涼しい顔をして、いい心持そうに
反
(
そ
)
り返ったのであろうと察せられた。
半七捕物帳:60 青山の仇討
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
覚悟
極
(
き
)
むればなかなかに、
些
(
ちっと
)
も騒がぬ狐が本性。
天晴
(
あっぱれ
)
なりと
称
(
たた
)
へつつ、黄金丸は牙を
反
(
そ
)
らし、やがて咽喉をぞ噬み切りける。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
かれはしらが頭を後ろに
反
(
そ
)
らせて、まっすぐに立っていた。かれははじて苦んでいるように見えた。
裁判官
(
さいばんかん
)
は
尋問
(
じんもん
)
を始めた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
だが、駒井はこの際、別に新しい研究にとりかかる様子もなく、椅子に
反
(
そ
)
り返って、腕を組み、キャンドルをながめてボンヤリと考えている。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
島抜けの法印は、その方へ、赤濁った目を吸われたのを、さすがに
反
(
そ
)
らして、白丁と一緒に持って来た、茶碗を突きつけた。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
頭にはだいぶ白いものが混つてきたし、昔はピンとしてゐた脊骨も今はおばあさんのとは反對に、土の方向へ
反
(
そ
)
つてきた。
おばあさん
(旧字旧仮名)
/
ささきふさ
(著)
ぐっと酒を
呑
(
の
)
みこみ、胸を
反
(
そ
)
らせ、息を吸いこんで眼を白黒させると、わ、わ、わしは、く、く、く、く、組合は、は、は、反対だ、と云った。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
松脂
(
まつやに
)
のような手や首の
皮膚
(
はだ
)
の色、磁器のような白い
眼球
(
がんきゅう
)
、上端が鼻の先へ
喰着
(
くっつ
)
きそうに
反
(
そ
)
って居る厚い唇、
其処
(
そこ
)
から洩れて来る不思議な日本語
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「古くなつて木が乾くに従ひ
反
(
そ
)
つて来る」とあれども反椀は初より形の反つた椀にて、古くなつて反つた訳には
非
(
あらざ
)
るべし。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そして両
踵
(
かかと
)
をつけ胸をやや
反
(
そ
)
らし何か言おうとしたが、その前に隊長は眼をしばたたきながら重々しく、むしろいたわるような口調で彼に言った。
日の果て
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
兜はなくて乱髪が
藁
(
わら
)
で
括
(
くく
)
られ、
大刀疵
(
たちきず
)
がいくらもある
臘色
(
ろいろ
)
の
業物
(
わざもの
)
が腰へ
反
(
そ
)
り返ッている。
手甲
(
てこう
)
は見馴れぬ手甲だが、実は
濃菊
(
じょうぎく
)
が剥がれているのだ。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
ルイザは緞帳の
裾
(
すそ
)
を踏みながら、恐怖の眉を
顰
(
しか
)
めて
反
(
そ
)
り返った。今はナポレオンは妻の表情から敵を感じた。彼は彼女の手首をとって引き寄せた。
ナポレオンと田虫
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
範覚はいかにも得意そうにこう云うと、ご自慢の筋金入りの杖——金剛杖をつき
反
(
そ
)
らし、自分でも胸を反らして見せた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
心持
反
(
そ
)
り出た粗い二本の前歯が
露
(
あらは
)
になつて居たのが物凄く見えた。鏡に映つた自分の
窶
(
やつ
)
れた顔を眺めて、お桐はこれが自分の顔かと怪む程であつた。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
「そんなことがあるもんか」と、輕く
反
(
そ
)
らせようとした加集の顏には、どこかぼんやりしたやうな、とぼけたところが見えたと、義雄には思はれた。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
そうして特に近代の屋根が美しさを失った原因の一つは棟の両端に
反
(
そ
)
りがなく、上が直線になってしまったことです。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
船でもが浸水し始めたら
埒
(
らち
)
はあかんからな。……したが、おれはまだもう
一反
(
ひとそ
)
り
反
(
そ
)
ってみてくれる。死んだ気になって、やれん事は一つもないからな
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「面へ行くぞ!」と絶叫した、まるで壁にでもつき当ったように、そのひと声で佐野は身を
反
(
そ
)
らしながら踏み止まった、竹との距離は九尺ほどあった。
薯粥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
と敏子も得意になって
反
(
そ
)
り返った。
何
(
なんに
)
もしないものに食ってかかって来るところは
成人
(
せいじん
)
した新女性によく似ている。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それはいかにも
適切
(
てきせつ
)
なことばであったが、コトエはそれでなぐさめられ、気持が明かるくなったらしい。少し
反
(
そ
)
っ
歯
(
ぱ
)
の大きな前歯をよけいむきだして
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
やがて静かに上体が婉曲して、倒れそうな形になる。胸は
反
(
そ
)
り、頸は斜めうしろへ曲げられて、片頬が上面になる。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
それでも私は貴方に背きはしなかつたではありませんか。それから私の窮乏
困蹶
(
こんけつ
)
が始まり、多数の同志は悉く脣を
反
(
そ
)
らし、完膚なきまでに中傷しました。
計画
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
“反”の解説
反(たん、段とも書く)は、尺貫法の面積の単位。土地の面積に使われる反と、布の大きさを表す反とがある。これとは別に6間の長さを表す反もある。
(出典:Wikipedia)
反
常用漢字
小3
部首:⼜
4画
“反”を含む語句
反響
反対
反抗
反覆
反映
仰反
反對
反古
反射
反閇
反返
無反
往反
一反
相反
文反古
反応
反歩
正反対
背反
...