せん)” の例文
道子みちこ一晩ひとばんかせげば最低さいていせん五六百円ぴやくゑんになる身体からだ墓石ぼせき代金だいきんくらいさらおどろくところではない。ふゆ外套ぐわいたうふよりもわけはないはなしだとおもつた。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
探険家はだれかというと、川上一郎君、すなわちポコちゃんと、やま万造まんぞう君、すなわちせんちゃんと、この二人の少年だった。
宇宙の迷子 (新字新仮名) / 海野十三(著)
爆音も相当に強く明瞭に聞かれ、その音の性質は自分が八月四日にせんたきで聞いたものとほぼ同種のものであったらしい。
小爆発二件 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
奥方は小笠原おがさわら兵部大輔ひょうぶたゆう秀政ひでまさの娘を将軍が養女にしてめあわせた人で、今年四十五歳になっている。名をおせんかたという。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
但馬守たじまのかみ莞爾くわんじわらつて、ひやく宗教しうけうせん道徳だうとくも、ひとつの死刑しけいといふものにはかなはない、これほど效果かうくわおほいものはもとむることが出來できないとおもつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
我ら会員は相次いでナポレオン、孔子こうし、ドストエフスキイ、ダアウィン、クレオパトラ、釈迦しゃか、デモステネス、ダンテ、せん利休りきゅう等の心霊の消息を質問したり。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
小さいときから自分を育てゝ來たおせんは、下女と祖母とを伴れて、車に乘つて一足先に移つて出た。
胡瓜の種 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
わたくし斷言だんげんする、この海底戰鬪艇かいていせんとうてい一度ひとたび逆浪げきらう怒濤どたうつて縱横無盡じゆうわうむじん隱見出沒いんけんしゆつぼつ魔力まりよくたくましうするときには、たとへひやく艦隊かんたいせん大戰鬪艦だいせんとうかん彈丸だんぐわんあめらしてむかつたとて
それがために、いとゞつたなくちの、せんひとつも、なんにも、ものがはれなかつたのであります。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お父さんなんかどうする 毎日地球ちきうと太ようとの距離きよりせん百万哩ひやくまんまいるの向ふを見てゐるんだよ
ロミオ せんたびもまんたびもおれ機嫌きげんがわるうなったわ、そもじといふ光明ひかりえたによって。
ろうしよくのぞむは人情にんじやうつねなるかも、ひやくいたればせんをとねがせんにいたればまたまんをと諸願しよぐわんやすときなければこゝろつねやすからず、つら/\おもへば無一物むいちぶつほど氣樂きらくなるはあらざるべし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つれ同行三人にてせん參り旁々かた/″\當地へ參りしをかの甚兵衞世話せわいたし自分の隱居所いんきよじよ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
A オイきみ。そんな不正確ふせいかくはなしはよしたまへ。十八まんせん七百九十九まいだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
と云い出し、にわかに堺のせん宗易そうえき津田宗及つだそうきゅうの許へ
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信越線の沓掛くつかけ駅からせんたき行というバスが出ている。
光は影を (新字新仮名) / 岸田国士(著)
せんらないかねだつたから、僕が出していた」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
せんまんつてた。
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
自分としても相当苦労をした作品であるが、尚、これを書き上げるについて、柴田ゆたか氏の激励げきれいと、友人千田実画伯せんだみのるがはくこと西山せん君の卓越たくえつした科学小説挿絵さしえ
『地球盗難』の作者の言葉 (新字新仮名) / 海野十三(著)
勿論もちろん、かのふねわたくし想像さうざうするがごと海賊船かいぞくせんであつたにしろ、左樣さう無謀むぼうには本船ほんせん撃沈げきちんするやうなことはあるまい、印度洋インドやう平均水深へいきんすいしんは一せんひやく三十ひろ其樣そんふかところ輕々かろ/″\しく本船ほんせん撃沈げきちんしたところ
信州しんしゅう軽井沢かるいざわせんたきグリーンホテルの三階の食堂で朝食を食って、それからあの見晴らしのいい露台に出てゆっくり休息するつもりで煙草たばこに点火したとたんに、なんだかけたたましい爆音が聞こえた。
小爆発二件 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
おゝ ものすごい! 一時間じかんせんキロメートルの早さだ‼
ヂュリ せんたびもまんたびも御機嫌ごきげんよう。
きつはなして急催促きふさいそく言譯いひわけすべきほどもなくたちま表向おもてむきの訴訟沙汰そしようざたとはれりけるもと松澤まつざは數代すだい家柄いへがら信用しんようあつければ僅々きん/\せん二千にせんかね何方いづかたにても調達てうたつ出來得できうべしと世人せじんおもふは反對うらうへにて玉子たまご四角しかくまだ萬國博覽曾ばんこくはくらんくわいにも陳列ちんれつ沙汰さた
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
せんまんんで
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ヘチマのチをせんとよみ、千ちゃんとよばれているが、それは山ノ井君はなかなか勉強がよくでき、友だちにしんせつで、級長をしているくらいだから、ヘチマとはよばないのだった。
宇宙の迷子 (新字新仮名) / 海野十三(著)
せんまんうつる。
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
もりがおせんに行き会ったのは、同じ九月一日の午後四時ころだった。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)