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爲
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せん
そつとさし置たち出しが又立もどり
熟眠せし其顏
熟々打ながめ
偶々此世で親と子に成し
縁しも斯ばかり
薄き
契りぞ情なし然ど
汝を抱へては親子が
畢に
餓ゑ死に外に
爲術なきまゝに
可愛我が子を
部屋に
忍ばせたることを兄君に申上二人ともに
戀の
意恨憂目を見せて夫を
腹慰に
爲と思ひし處兄上には我身と友次郎樣とを
夫となく其夜の中に落し給ひしかば夫より吾助は
愚にも兄君を
怨み
斯る
大變を
も
遣込殘り少なに成ける程に心は
彌猛に思へども
猶如何に共
爲術なく
必竟斯る
難澁に及ぶと云も兒の有故身の
振方も成ぬなり此上
親子餓死に成行事の
悲しさよ
寧そ此子も妻諸共に死んで
呉なば此樣に今の
困苦は