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專
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せん
敗れたる
專門
棋士の
胸中や
果して如何に? どんな
勝負事も
背後に生
活問題が
裏附けるとなれば一そう
尖鋭化してくる事は明かだが
身輕手輕と
夫ばかりを
專にしたる
旅出立なれば二方荒神の中に
縮まりてまだ雨を持つ雲の中に
上る太華山人其の
寒さを察し
袷羽織を
と有りけるに座中の人々
彌々驚き偖は其方が野尻宿の近江屋のお
專殿なるか
而又持參の此文はと
惘れ果てたるばかりなりお
專は
猶も座を
只
慾の一字より、親戚の
親も離るゝものなれば、
根據する處を
絶つが
專要なり。さすれば慈愛自然に離れぬなり。
其れは
勿論、
是は
我々丈の
話だが、
彼は
餘り
尊敬をすべき
人格の
男では
無いが、
術に
掛けては
又なか/\
侮られんと
思ふ。で
願くはだ、
君、
何卒一つ
充分に
彼を
信じて、
療治を
專一にして
頂きたい。
爭ひ
將棋に
敗れて
血を
吐いて死ぬなどは一
種の
悲壯美を
感じさせるが、
迂濶に死ぬ事も出來ないであらう
現代の
專門
棋士は平
凡に
其方
儀專が親と成り傳吉が
無實の罪を助けんと
財を
惜まず
眞實の心より專を助け萬事に
心添致し
遣はし候段
奇特に
思し
召るゝ旨
御賞詞有之
是はもう
周圍の
者の
疾うより
認めてゐる
所で、
只今もドクトル、エウゲニイ、フエオドロヰチが
云ふのには、
貴方の
健康の
爲には、
須く
氣晴をして、
保養を
專一と
爲んければならんと。
是は
實際です。
然ば傳吉お
專が物語りを聞て
歎息し扨々世の中に
不幸の者我一人にあらずまだ
肩揚の娘が孝行四年こしなる父の大病を
名人
决定
戰の金、花田
兩八
段の
對局、相踵いで大崎、木見
兩八
段の
對局を
觀戰して、
僕は
專門
的な
棋戰の如何に
苦しく辛きものであるかをつくづく
思ひやつた。